煉獄さんにやたらと魅力を感じてしまう納得の訳 キャラクターの魅力を決定づける要素とは何か

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具体例があるほうがわかりやすいと思いますので、日本の映画興行成績歴代3位までの3作品を表にまとめました。

(出所)『「物語」の見つけ方 ー夢中になれる人生を描く思考法』(クロスメディア・パブリッシング)

(外部配信先では図表や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

なぜ悪役でも魅力的なキャラクターが存在するのか

『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーや、『アベンジャーズ』のサノス、『HUNTER×HUNTER』のメルエムや、『北斗の拳』のラオウ、『機動戦士ガンダム』のシャアなども魅力的な敵対者として挙げられる例です。

役割を果たすほどに魅力は増すという意味では、敵対者も障害となり、その目的達成を阻めば阻むほどに魅力は増します。逆説的ですが、障害となり憎まれたからこそ、敵対者としての役割をまっとうしたとも言えるのです。

また、そういった強敵の中でもとくに語り継がれるようなキャラクターは、敵対者としての役割をまっとうするだけでなく、強い信念や哲学を持っています。

それは先ほど挙げた敵対者たちを見ればわかります。どのキャラクターも、時に非道であれ、そこに貫いた哲学や、やむにやまれぬ事情のようなものを持っています。それに対して共感めいたものを覚えるかどうかは受け手の価値観次第ですが、その強い一貫性によって強く共感を覚えてしまうことがあるのです。

敵対者といえども、期待させるという意味でのCQ(セントラル・クエスチョン)は当然あります。単に主体の障害となるべく生まれたのではなく、主体と同じように切実なCQを抱え、たまたま主体とぶつかってしまったのです。

つまり敵対者は敵対者で、主体としての人生を生きています。そのため敵対者であっても、揺るぎない信念や切実なCQを持っていれば、周りに共感される事もあります。

私たちは、主体に目的をかなえてほしいと思いつつも、敵対者の切実さも理解してしまい、双方に共感を持ってしまうのです。それは決して悪いことではありません。

むしろキャラクター全員に共感できるのが、最も素晴らしいストーリーと言えるに違いありません。

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