
アンガーマネジメントはアメリカでドラマの題材にもなっています。俳優のチャーリー・シーンが、2012年の6月から主演しているコメディドラマ『アンガーマネジメント』は、第1回放送の視聴者が547万人に達し、ケーブル局FOXにおける史上最高の視聴率であると発表されました。アメリカの世帯数は約1億1000万ですから、大体20世帯に1世帯は視たという計算になります。
現在も大ヒット放映中なのですが、人気の理由の一つは出演者と役柄の「ギャップ」にあります。実生活において、たびたび暴力事件を起こしたり、ほかにも女性問題、アルコール依存、麻薬服用などのトラブルメーカーであるチャーリー・シーンが、「チャーリー・グッドソン」という役名のセラピストとして主演しているため、視聴者の興味を引いているもようです。
日本でも大手企業や国家組織が学び始めている
この番組が日本で放映されたり、レンタルDVD化されたりしたならば、日本でもアンガーマネジメントの認知度は確実に高まるものと思われます。
ただドラマの日本上陸を待たずして、アンガーマネジメントはすでに認知され始めています。たとえば、日本人の海外渡航者に、アンガーマネジメント・プログラムの受講命令が下されることがままあるのです。
どういうケースかというと、海外の空港で泣き止まない子供の頭を思わず叩いてしまった母親や、現地で殴り合いの喧嘩をしてしまった人に対して、「アンガーマネジメントを学んだという証明書を持参しなければ再入国を認めない」という処分が課されるのです。私が所属する一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会へも、受講証明を得ようと来訪される方がいます。
また、日本のアンテナの高い組織では、既にアンガーマネジメント・トレーニングを導入し始めています。筆者もたくさんの組織から講演や研修のお声掛けをいただいており、たとえば永田町の某国家機関、大手総合商社、国立大学行政法人、各地の教育委員会、スポーツチーム、医療機関等々、業種や規模を問わず、さまざま業界の人たちからご要望とご好評を賜っている昨今です。
今回の記事を読まれ、まずはアンガーマネジメントの存在自体に注目していただけたら嬉しいです。拙著『パワハラ防止のためのアンガーマネジメント入門』(東洋経済新報社)も参考にしてください。
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