エリートに「突然休職する人」が意外にも多い理由 適応できるからこそ逆にストレスを自覚できない

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一方で、人間は自分の疲れやストレスを頭で考えて判断しようとし、頭で考えていることと身体が感じていることには乖離が生じます。

例えば、「やりがいのある」はずの仕事に行く途中、電車の中でなぜか吐き気やめまいが出てしまう、といったケースがありますが、それは、ストレスが限界を超えて身体のほうが先にSOSを出しているわけです。しかし、身体に症状が出ているからといって、「自分メンタルやられているかも?」と疑うのはなかなか難しいことだと思います。

こうした乖離が、人がストレスを自覚しづらい理由の1つです。

そうした方によくみられる傾向としては、自分の都合よりも周りを優先して、環境からの要求や他者からの期待に完璧に近い形で従おうとする、「過剰適応」があると思います。こうした傾向をもつ人は、無理して期待に応えようとしてくれるため職場では重宝され、パフォーマンスや評価も高くなりやすいといえます。その一方で、会社や部下など、他者のケアばかりをしていて、自らの疲労のケアを後回しにしがちです。

そうした「優等生タイプ」の方が、前日まで普通に仕事をしていたのに、ある日突然職場に来られなくなってしまうというケースは決して珍しくありません。

脊髄反射的な「大丈夫です」

“隠れストレス負債者の95%が「大丈夫です」が口癖で、79%が断るのが苦手であることが明らかになった”とありますが、こうした方は「他人に心配させたくない」「スキを見せられない」という気持ちが強く、自分が万全の状態でないことを周囲に隠すことに非常に長けています。まさに「演技派」と言ってもいいくらいで、こうした人たちの「大丈夫です(困ってませんよ)」という嘘を見抜くのは至難の業です。

「大丈夫?」と聞くと、反射的に「大丈夫です!」と返答してくるのが目に見えているので、「眠れている?」「食欲は落ちてない?」というように体調面のことを聞いてみると、本当のことを言ってくれる可能性が少しだけ上がると思います。

また、メールやワークスペースでのチャットが連日深夜まで続いていたり、テキストに誤字が増えていたりすると、負荷がかかりすぎて作業能率が低下しているサインかもしれません。

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