算出の結果、年収激変度トップはキーエンスとなった。FAセンサーなどの検出・計測制御機器をファブレスで製造する同社は屈指の好待遇企業として知られる。最高額1440万円は、対象1024社の最高額のうち、朝日放送(1605万円)、三井物産(1443万円)に次ぐ3位。最低額からの変動幅678万円は、自分の年収そのものがこの額に届かないという人も多いのではないだろうか、次点のアドバンテスト538万円を140万円も上回って、ダントツだ。
常に「高待遇」ではなかったキーエンス
売上高営業利益率50%前後という圧倒的な収益力で、従業員分配の原資は十分。完全実力主義で、「業績賞与」という業績連動型の給与が、好待遇ながら年収の大きな変動を生む。
最低額762万円を記録したのは今回の調査始期にあたる2000年3月期だが、営業利益率の底としてはその前年度、1999年3月期となる。ITバブルの勃興と崩壊を受け、年収は1年間で400万円上昇、150万円下落と上下動。その後07年度まで1200万円から1300万円と安定的に推移していたが、2008年夏のリーマンショックで落ち込む。ただしその後の業績は順調で、現在は最高益を受け、年収も直近14年3月期がピークとなっている。
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