さらに輪をかけて働きがいのなさそうな会社も見つかった。期間中複数年で同じ年収になる可能性はもちろんあるが、相当に長期間にわたり同額というケースがあるのだ。
スーパーのK社は、2008年2月期以来、7年連続で年収500万円。鉄道関連のK社も03年3月期以来、年収は500万円か600万円のいずれかしか存在しない。調べてみると、有価証券報告書には100万円単位で開示しているためで、小社の『会社四季報』ならば1万円単位の推移もわかる。
とはいえ、法的に開示義務があり、誰でも閲覧できる有価証券報告書の掲載事項において「アバウト」な掲載をしているという事実。これは、少なくとも経営陣の年収に対する意識は高くないことを示すといってよいだろう。
リーマンショックを「克服」した会社はわずか35%
いずれにせよ、そうした複数年で同額というケースもあるが、各社のピーク・ボトム時期の集計を試みた。年収のピーク時期はまだ、リーマンショックが9月に起きた2008年の決算期以前だという会社は、対象1024社の65%にあたる662社にのぼっている。そのうちリーマン直前の2008年(業績年度は2007年度)がピークの会社が155社と、4分の1超を占める。
一方、ボトム期をみると、全体の5割弱にあたる485社が、リーマン後の2009年(2008年度)以降にある。単年度ではリーマンの影響を全面に受けた2010年(2009年度)の213社が半分を占め、その前年、3月決算会社ではちょうど期の中間でリーマン・ショックを受けた2009年(2008年度)は42社であった。
つまり、年収に関しては、65%の会社はリーマン前水準に追いついておらず、リーマン直後に底を打ったという会社も半分の確率にとどまる。賃金の面では明らかに明るさが見えている今年2014年度はどれほどの平均年収アップにつながるだろうか。ピーク更新と底打ち会社がどの程度にのぼるのかが注目される。
『会社財務カルテ』は有価証券報告書をベースとしたデータ商品「財務データ・ダイジェスト版」から生成される刊行物です。
ほかにも日次で更新が可能な「決算短信・有価証券報告書データ」を提供しています。
→ 紙版はこちら → データ版はこちら
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら