なにわ男子が関西系なのに「キラキラ路線」の理由 BTSの一大ブームで「男性アイドル界」は過渡期

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このなにわ男子のCDデビューは、もう少し大きな観点から見ると、実はジャニーズ全体の構図に大きな地殻変動をもたらす可能性があるもののように思える。

なぜなら、キラキラ感をまとった王道アイドルであるなにわ男子のCDデビューによって、関西系ジャニーズが、東京のジャニーズと同等なライバル的立場になる道が開かれたとも考えられるからである。

異端だった関西系ジャニーズ

これまで、関西ジャニーズJr.出身の関西系ジャニーズは、東京の正統に対する異端のポジションとして見られがちだった。むろんそれは、先述のようなアイドルらしからぬ曲調やバラエティ番組などでの個性派ぶりが際立っていたがゆえでもあり、そこに関西系ジャニーズの高い人気の理由もあった。しかし、その個性が輝けば輝くほど、「関西系=王道ではない」というイメージにもつながっていたように思う。

そこに、今回のなにわ男子のCDデビューによって、関西系ジャニーズのなかでは長らく不在だった「キラキラ」王道アイドルの席が埋まった。これで、東京にも拮抗し得る厚みが関西系ジャニーズにも備わったと言っていい。

関西ジャニーズJr.には、現在ほかにもAぇ! group、Lil かんさい、Boys be、AmBitiousなどデビューを待つユニットが存在する。『ベストヒット歌謡祭2021』でも、それらのJr.が大挙出演し、関西ジャニーズJr.の曲「関西アイランド」をなにわ男子とともに披露していた。そうした「西のジャニーズ」の結束力を感じさせる場面からは、なにわ男子のCDデビューが、関西系ジャニーズ全体にとってもエポックメーキングな出来事であることがひしひしと伝わってきた。

こうした構図は、まったく同じというわけではないが、かつてAKB48が、2000年代後半以降、名古屋のSKE48、大阪のNMB48、福岡のHKT48など全国各地に姉妹グループを次々に発足させ、「AKB48グループ」としてグループ全体の勢力を広げていったことを思い出させる。

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