11月12日、ジャニーズの7人組なにわ男子が「初心LOVE」でCDデビューを果たした。デビュー前のプロモーションは、テレビ各局の音楽番組はもちろん、バラエティ番組や朝の情報番組に至るまで連日彼らが登場するなど、近来まれにみる大々的なものだった。彼らの華々しいデビューは、ジャニーズにとって、いったいどのような意味を持つのだろうか?
「笑いと演歌」だった関ジャニ∞
「笑いと演歌でしたから、我々は」と語ったのは、『ベストヒット歌謡祭2021』(読売テレビ、日本テレビ系)での関ジャニ∞の村上信五である。
この発言の直前、関ジャニ∞全員が見守る前で、なにわ男子が「初心LOVE」を披露していた。タイトル通り、うぶな恋心をロミオとジュリエットに例えて歌った正統派アイドルソングだ。衣装も全員ピンクが基調、振り付けも可愛くいかにも王道アイドルを思わせる。
それに対し、関ジャニ∞は、明るく元気ながらもなぜか演歌調の「浪花いろは節」(2004年発売)がデビュー曲だった。そのことを村上は少し自虐気味に冗談めかして言ったのである。
同じく関西ジャニーズJr.出身で2014年にCDデビューしたジャニーズWESTのデビュー曲「ええじゃないか」も、演歌ではないが、明るく元気なお祭りソングだった。そうしたこともあり、こうした“元気印”路線は、これまで関西系ジャニーズのひとつの個性になっていた。
もうひとつ村上の言葉にあった「笑い」も、関西系ジャニーズが有する大きな特色になっている。関ジャニ∞やジャニーズWESTの冠バラエティ番組を見れば、関西のノリをベースに、それぞれのキャラクターとメンバー間のコンビネーションを活かした彼らの姿が存分に楽しめる。そのバラエティスキルは、時にプロの芸人にも負けていないのではないかと思えるほどだ。
もちろん、なにわ男子においても笑いの要素は欠かせない。すでにグループのバラエティ番組『まだアプデしてないの?』(テレビ朝日系、2021年放送開始)を持つとともに、グループや個々のメンバーでのバラエティ番組出演も多い。
そのあたり、笑いの部分だけではないが、関西系ジャニーズの伝統はなにわ男子にもしっかり受け継がれている。関西ジャニーズJr.だった頃から、関ジャニ∞の大倉忠義が彼らのプロデューサーを務めているところにも、その点は表れている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら