「距離を縮めるのが下手な人」の会話以前の問題点 本能的に「敵認定」されないための科学的方法
また、食事を一緒にすると、手は自然と飲み物のグラスをいじったり、箸やフォークを触ることになり、腕を組むヒマがなくなります。
心理学の「一緒にご飯を食べると仲良くなりやすい」という有名な法則(ランチョン効果)は、そういう意味でも真実なのです。
さらに、タフツ大学のティクルデネンらの研究によれば、腕を組んだ様子は、冷たい・拒否、受身的と判断される一方で、適度に開いた腕は、温かさ、受容の証と判断されることがわかりました。
「時間帯・場所」を変えてみる 〜いつもと違うシチュエーションを試す〜
電話やメール、打ち合わせをいつもと違う時間帯に行うのは、相手との関係に変化を加えるのに効果的です。
- ・ いつもは午後イチのミーティングを朝一番にやってみる
- ・ 朝に送っていたメールを、夕方に送信する
- ・ 毎週水曜だった打ち合わせを、金曜に変更してみる
時間と心理に余裕があるタイミングは、人それぞれ。なかなか距離が縮まらない場合には、行動や発言の内容もさることながら、コミュニケーションのタイミングを見直すのも1つの手段というわけです。
同様に、場所を変えてみるのも効果があります。
- ・ オンラインで会っていた相手と、対面で会う
- ・ 定例会議で、たまには先方の会議室におもむく
- ・ 打ち合わせを、いつもと違うカフェで行う
そうすると相手は新鮮な印象を持つことになり、これまでと違ったスピードで距離が縮まります。結果として、これまで動いてくれなかった相手が動いてくれる可能性が高まります。
これはプライベートでも同様。いまひとつ仲良くなりきれない相手とは、これまでとは違う場所・タイミングで会うことをトライしてみるといいでしょう。
ちなみに、スワースモア大学のガーゲンの実験によれば、①明るい場所と、②暗い場所で男女の行動を観察したところ、②に入ったグループのほうが親密な行動をとりました(暗闇効果)。「時間や状況が判断能力や親密さに影響を与える」ことを裏づけています。
コロナが落ち着き、久しぶりにリアルで会う機会は、相手とのそれまでの関係を変えるチャンスです。
より一層食い込みたい取引先や、味方につけたい上司との会話では、話し方だけでなく、態度やそぶり・事前の準備にも気をつけるべき。
その効果は科学的に実証されています。
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