「距離を縮めるのが下手な人」の会話以前の問題点 本能的に「敵認定」されないための科学的方法

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そういうときは同席する人を増やして、目線のぶつかり合いを緩和するのも有効です。真正面から見つめ合うでもなく、それぞれ違うところを見るのでもなく、適度に視線が交じるように位置を調節します。

逆に、深刻な話を伝えたり、態度の改善を促したりする場合には、きちんと真正面に正対するのが効果的です。

ちなみに、早稲田大学の山口創と鈴木晶夫の実験では、話す相手の座席配置を 距離(近距離・遠距離)、位置(正面・斜め・横)、身体方向(前・ 後・左・右)で分け、これらが気分に及ぼす影響について調べました。結果、正面が最も「見られている感じ」と「緊張感」が高いことがわかりました。

相手と「同じモノ」を見る〜視線の方向を合わせ一体感を演出する〜

話しているときに「相手と同じモノを見る」のは、有効なテクニックです。

メニューを見る、窓の外を見る、料理を見る、テレビを見るなど、視線を同じ方向に向けることで、相手は、

  • ・ 「同じ行為をしている」という連帯感
  • ・ 「一緒の時間を大切にしている」というメッセージ
  • ・ 「話しやすい人」という印象

を感じることになります。結果、自然と話は盛り上がります。 逆に、どれだけ言葉を交わしても、視線が別のところに向かっていると心理的距離は遠くなります。

その最たるモノがスマホです。それぞれがスマホを見ながら話すこと、会話の途中にスマホをチェックすることは避けるべき。「あなたとの会話よりも大切なことがあります」 「気が散っています」というメッセージそのものだからです。

ですから、

  • ・会議でプロジェクター画面をそろって見る
  • ・ 家庭で大型テレビを全員が眺める
  • ・ 記念撮影で一緒にカメラのレンズを見る

といった行為は、一体感・チームの結束を強めるのに効果的なのです。

アメリカの心理学者・ブルーナーの研究によれば、乳児は1歳前後から大人の視線を追って同じモノを見るようになります(共同注意)。子どもの発達の度合いを示すバロメーターとなっていて、「同じモノを見ること」の本能的な効果を裏づけています。

「腕ぐみ」をしない〜防御・拒絶のメッセージを出さない 〜

人と話しているときに、「腕を組まない」ことはとても効果的です。

初対面の人と話しているとき、あるいは、相手との会話がとぎれたときなど、つい手持ちぶさたに腕を組んでしまうことがあります。そうすると相手は本能的に、

  • ・防御の姿勢を取られている
  • ・冷たい人、心を開いてくれない偉そうな人だ
  • ・機嫌が悪いのかな?

という印象を持ってしまいます。逆に、

  • ・腕をほどき、見えるところに置く
  • ・手振りを交えて話す
  • ・手持ちぶさたなときは、胸やお腹の前で手を組む

ようにするだけで、相手との心理的距離は近づきます。結果的に交渉 や説得をスムーズに運ぶことができます。

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