「重度のネット依存」と診断された男性が語った今

依存症の自助グループを仲間と立ちあげ活動

体験談を語る白水宗一さん(本人提供)

コロナ禍の外出自粛の影響もあって、子どもたちのゲーム時間が増えている。

文科省の「全国学力・学習状況調査」(2021年度)によると、小中学生ともにテレビゲームをしている時間は増加しており、平日に1時間以上テレビゲームをしていると回答した生徒の割合は、それぞれ75%以上となっている。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

ゲーム依存に悩む人たちが集まる自助グループを運営する白水(しろうず)宗一さん(26)は「現代のゲームは依存性が高く、子どもたちがのめり込みやすい要素が多い。誰でもゲーム依存になりうる」と指摘する。

白水さんもネットやゲームをやめられなくなり、苦しんだ経験を持つ1人だ。現在は回復の道を歩み続けているが、「治らないのでは」と諦めそうになる日々を送っていたこともあるという。

大学生で「ガチモード」、ゲーム三昧の日々

子どものころからゲームが好きだったという白水さん。「やり始めると止まらなくなるタイプ」ではあったが、ゲームを楽しみながら日常生活を送っていた。

ゲームの時間が増えたのは、高校2年でカナダに留学したことがきっかけだった。

「ホームステイ先は​​半径数キロは農地が続き、どこに行くにも車が欠かせませんでした。加えて、言葉の壁もあり、同級生に話しかけられても、うまく会話できなかったんです。そんなときに、同級生がMMORPG(多人数のプレーヤーが同時接続できるオンラインゲーム)に誘ってくれて、ドハマりしました」

ゲームを通じて、友人と一緒に遊んでいる感覚になれた。ホストブラザー(ホスト先の同年代の家族)もゲームが好きだったため、毎日遊ぶようになった。部活がない平日は約4時間、休日は約8時間ほどゲームに時間を使う日々だった。

高校3年で日本に帰国すると、海外のゲームで遊ぶことはできなくなったが、留学前よりもパソコンに向き合う時間が長くなった。日本で遊べる別のゲームをしたり、動画を見たりしながら高校生活を送った。

ところが、大学に入学後、白水さんはゲームやネットに本格的にのめり込むようになった。 きっかけは、所属したサークルでの「つまずき」だった。

「サークルは英語の活動が盛んで、スピーチの全国大会などに出場歴もありました。でも、スピーチのための原稿がうまく書けなくて……。遅れを取るようになり、サークルに行きづらくなったんです。それからは、逃避するようにアニメなどの動画を見るようになりました」

授業がない日は、食事の時間以外は貪るようにネットで動画を見た。レポートも提出せず、試験もまったくできなかったため、単位は1つも取得できなかった。

次ページそのまま迎えた大学生初の夏休み…
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