「重度のネット依存」と診断された男性が語った今 依存症の自助グループを仲間と立ちあげ活動
「運営側としての責任を感じるようになったのもありますが、ゲームに依存していたときにもう戻りたくないと思ったんです。いろいろなつながりに恵まれたことで、ゲームでまた独りになって、つながりを失うことになりたくないとも思うようになりました。ネットや動画はまだまだ見ていますが、ゲームはやらなくなって500日以上が経ちました」
2021年4月からは建築関連の専門学校に進学し、木造大工を目指している白水さん。学生時代を取り戻すべく、勉強に励む毎日を送っている。
「子ども」や「ゲーム」だけを悪者にしないで
白水さんは、タバコやアルコールと同じように、ゲームを「使う側」や保護者も気をつける必要があると指摘する。
「最近のゲームは昔と違って『プレイしたければ、無制限にできるスタイル』のものが少なくなく、依存させるようにできています。そのため、子どももやめられず、無制限にやりたくなるのです。子どもたちには保護者が『気をつけよう』と声がけし、保護者もゲームについて知ることが必要だと思います」
ゲーム依存を予防するため、保護者は子どもにどう接すればよいのか。白水さんは、頭ごなしに叱ったり、ゲームを取り上げたりするなど、子どもを否定するのではなく、家族全体で話し合うことを提案する。
「子どもと一緒にゲームをすることもよい方法の1つだと思います。家族でコミュニケーションを取ることができますし、子どもの立場を理解できるためです。
もしかしたら、家族もゲームをやりすぎてしまうことがあるかもしれません。その場合は、やめられないことや課金したくなる子どもの気持ちを理解でき、問題意識が芽生えると思います。家族みんなでルールをつくることもよいでしょう。
子どもやゲームだけを悪者にするのではなく、どうしたらゲームをやり過ぎずに楽しむよい方法があるかを一緒に見つけていくことが大事だと思います」(編集部・吉田緑)
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