「マスクの隙間からストロー」女性が冷めた瞬間

リトマス試験紙のような役割を果たしたコロナ

コロナ禍での婚活の悲喜こもごもを紹介します(写真:Ushico/PIXTA)
新型コロナウイルスが世界で蔓延して、2年が経とうとしている。外出時はマスク着用が必須、ソーシャルディスタンスを前提にした行動やマナーなど、人と人とのコミュニケーションの取り方も大きく変わった。異性が出会い、コミュニケーションを取り、そこから結婚に向かう関係を築いていくのが婚活だ。コロナは、婚活シーンにもさまざまな影響を与えた。
仲人として、婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしていく連載。今回は、コロナ禍で起こった婚活カップルの事件簿をつづる。

20代最後の年の婚活に影を落としたコロナ

まずは、コロナによって婚活をやめてしまった女性の話だ。

あきえ(29歳、仮名)は、メーカー勤務のOLだった。恋愛経験がまったくないまま歳を重ねていたが、30歳という年齢が見えてきて、結婚を真剣に考えるようになった。

あきえのような男女は、結婚相談所に意外と多い。彼らは異性に対して興味がないのではなく、異性に話しかけたり、気持ちを伝えたりするのが苦手。そうした人たちが、30歳や40歳という年齢をフックにして、結婚を真剣に考え出し、婚活をスタートさせることが多い。

あきえにとって、男性と1対1でお茶を飲むのは、お見合いが初めてのことだった。恋愛経験がないと、異性と対峙して話しながら1時間程度お茶を飲むのは、極度に緊張する。初めてのお見合いのときに私が立ち会いに行くと、ホテルのティーラウンジの前で、あきえはガチガチに固まっていた。

「大丈夫よ。何事も経験だから、楽しむつもりでいきましょうね」

こう話す私に、「はい」と言いながらも、ショルダーバッグを握りしめる手がブルブルと震えていた。

この連載の一覧はこちら

最初のお見合いは、お相手からお断りされたのだが、そこからは断ったり、断られたりのお見合いが5人ほど続き、少しずつ婚活にも慣れてきた様子だった。そして、6人目の見合い相手、たけし(31歳、仮名)と交際に入ることができた。その後、あきえは生まれて初めて男性とのデートをしたのだが、その直後に職場にコロナ感染者が出た。

PCR検査を受けて、あきえの結果は陰性だったのだが、職場に感染者が出たことで、コロナに対して異常なほど敏感になってしまった。そして、こんな連絡が来た。

次ページコロナに敏感になった、あきえからの連絡とは
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • 御社のオタクを紹介してください
  • 今見るべきネット配信番組
  • 近所で有名な「気になる夫」の生態
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT