“35歳以上婚”における「子作り」のリアル マット・デイモン似の夫が「その気」になるまで8年!

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「内定者研修で映像制作の専門学校に通っているときも、彼はクラスメートでした。そのときはパソコンのメールアドレスを交換したぐらいです。入社後の研修でもグループワークで意見が合わずに、イライラしたことを覚えています」

と言いながら、入社1カ月後には付き合いを始めている。同期何人かで映画を見に行こうと誘ったが、集まったのは麻美さんと周平さんの2人だけ。映画のタイトルは『恋に落ちたシェイクスピア』。1990年代の恋愛ドラマのような状況である。

映画を見終わった後に歩いていたら、周平さんから「好きなんだけど」と急に告げられた。え、それってどういうこと? と問いかける麻美さん。照れくさそうに黙って歩き続ける周平さん。ちょっと待ってよー。……そのまま現在に至る。

子どもが欲しくて結婚を迫り、一度は破局

麻美さんによれば、周平さんは「可愛げがあって繊細」なタイプだ。口数は多くないが、まじめで何事にも一生懸命なので、周囲から愛されるらしい。

「見た目は、バザールでござーるのおサルさんに似ていると言われることが多いみたいです。私は(アメリカ人俳優の)マット・デイモンにちょっと似ていると思っているんですけど……」

バザールくんの愛らしさとマット・デイモンの知性を併せ持つ。周平さんは「霊長類最強」の男なのだろうか。聞けば、「繊細」というのはいい意味ではない。周平さんには気難しく心配性な一面がある。

「あまりに頼りないので、最初のうちは結婚するつもりはありませんでした。彼(周平さん)は入社3年目のときに独立して、アートディレクターをしています。独立準備のときは気持ちの余裕がなくなって、一方的に別れを告げられた時期もあります。男の人っていろんなことが同時にできないものですよね。彼も最近はだいぶ図太くなったみたいですけど」

情緒不安定で頼りない男性は「器が小ちゃい」などと言われるのが通常だが、それを「繊細」という言葉に換えるところに、麻美さんの愛情と品格を感じる。ちょっとやっかいな性格だけど自分で決めた道を突き進むタイプの周平さんを、麻美さんは穏やかに愛しているのだろう。

しかし、優しく見守っているだけではいけないこともある。30歳を迎えようとしたあるとき、麻美さんは9歳年上の既婚の先輩女性から警告を受けた。

「早く結婚しないと子どもができないよ、と真顔で言われました。彼女は2人目の子どもがなかなかできずに不妊治療を受けていたらしいのです。焦りましたね」

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