35歳以上で結婚した「晩婚さん」たちと語り合う本連載。前回に引き続き、木村幸一さん(仮名、48歳)と会っている。慶応大学卒業後、平成が始まった頃にリクルートに入社し、「38歳で死んでもいい」つもりで激烈に働き遊んできたという木村さん。見た目もトークも軽快なので、女性関係も絶えることはなかった。バブル世代の一典型のような人物である。
「リクルートを辞めて、会社を立ち上げたのは32歳のときです。ちょっとは楽ができるかなと思ったのですが、より一層忙しくなって……。最初の3年間ぐらいはまさに休みなく働いていましたよ。もちろん、遊びもしました。主に“クラブ活動”です。当時の会社は六本木にあって、駅から会社まで歩いてすぐ。なのになぜか寄り道しちゃう(笑)。あるクラブのお姉ちゃんにハマって通い詰め、月に100万円ぐらい突っ込んでいた時期もあります。
結局、フラれちゃったけど、あの頃のクラブは本当に楽しかったんですよ。お姉ちゃんたちも今のキャバクラと違っておカネおカネじゃない。閉店後に押しかけて朝までみんなでドンチャカ遊んだなあ。今でも変わらずに友だちですよ」
もちろん、翌日は仕事である。当時の都内で働く若手のエリートビジネスマンは、遊びも仕事も「24時間戦えますか」状態だったのだろう。ちなみに、木村さんが仲間と立ち上げた会社は初年度から5億円を売り上げ、翌年には30億円、3年目には100億円という急成長を遂げたが、その後、景気低迷とともに業績は急降下。実にバブル時代らしいエピソードだ。
社長業のリスクを知らない女性ばかり…
その後、新たな会社を経営して現在に至る木村さん。クラブ活動は30代で卒業したものの、「紹介してもらった女性とは会う」ことにしている。独身なのだから当然だろう。
「バツなしの社長という肩書だけでアプローチしてくる女性は少なくありません。でも、経営者に資産を求めるのは間違った認識だと思いますよ。あっても『負の資産』ですから(笑)。マンションを買うカネすら借りられないぐらいリスクのある仕事です。(わかっていない女性とは)話していてもつまらないですよ。仕事の話もできません。夜に会って、食事して映画を見てヤルだけ。長続きはしませんよ」
話をしていてつまらないのは、人生経験は浅いけれど自分の美しさだけは十二分に認識している女性を選んで付き合ってきたせいではないだろうか。同世代の独身女性には見向きもせず、自分より一回り以上も若い女性だけを追い求める40代男性はけっこう多いものだ。
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