リモートvs.出社の議論はもはや不毛でしかない コロナ禍前からリモートの会社に話しを聞いた
コロナ禍において「エンジニアの仕事はリモートでも対応できる」と感じられた人は多い。しかし世間では、いまだに「リモートか、出社か」の議論がまん延している。そんな現状を「ナンセンス」だと突きつけるのが、“Mr.リモートワーク”こと株式会社キャスター取締役CRO(Chief Remote work Officer)の石倉秀明さんだ。
同社は、コロナ禍以前からメンバー1000名以上がリモートワークを実施。以前エンジニアtypeが取材に出向いた際にも、「リモートは何も特別なことではない」と主張していた。
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そんな石倉さんは、世間の「リモート/出社議論」をどう見ているのか。そして今、改めて「リモートワークでの成果の出し方」とは何なのか聞いてみると、リモートに限らずエンジニアが「どこでもパフォーマンスを発揮できる力」のヒントが見えてきた。
本質的な議論はできていない
コロナ禍以前のキャスターは、「全員がリモートワークをしているとても変わった会社」だと珍しがられていたんです。でも、今はヤフーやメルカリといったIT企業はもちろん、トヨタのような製造業から官庁に至るまで、当たり前のようにリモートワークを導入していますよね。
こんなふうに、多くの人がリモートで働くことを経験したのは、とても大きな変化だと思います。誰もがリモートワークに関心を持ち、議論をするようになりましたから。
ただ、ずっとリモートワークの必要性を主張してきた私から見れば、本質的ではない議論が多いなという印象です。
例えば、リモートワークを取り入れた場合のオフィスのあり方についての議論。「人に会えないのは仕事にとってマイナスだ」という意見がありますが、「リモートワーク=人に会ってはいけない」というわけではありません。
人に会えないのはリモートのせいというよりは、単に新型コロナウイルスのせいですよね。