「自己肯定感の低い人」が結構している陰湿な攻撃 妻のために引っ越すことになった夫の仕返し

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自己肯定感が低いゆえの「自己防衛」によって、人を傷つけていることもあります(写真:Pangaea/PIXTA)
自己肯定感の低い人は、意識的、あるいは無意識的に自分が傷つかないために、さまざまな自己防衛策を講じますが、これが人間関係を難しくしていることが少なくありません。本稿では、自己肯定感が低いゆえに権力志向や、コントロール志向のある人がしている「受動的攻撃」について、心理療法士として長い経験を持つシュテファニー・シュタール著『「本当の自分」がわかる心理学』より紹介します。

自信がない時、人は守りに入る

子どもの頃に抱いた「信念」から、人は自分がこれ以上傷つかないように「防衛戦略」をとるようになるということは、前回の記事でもお伝えしたと思います。今回は、その防衛戦略のうち、「コントロール志向」と「権力志向」がある人について掘り下げてみたいと思います。

「権力志向」と聞くと、強い上昇志向のある人間を思い浮かべるかもしれませんが、実は、そんなことはありません。権力で自己防衛しようとする人は、自分の立場が相手よりも下になると、自分は攻撃されて傷つけられてしまうという、行き過ぎた不安を抱えている人なのです。

このような人たちは、子どものころに「親の言いなりになるしかない」と何度も感じた経験から、いつでも「相手は自分よりも権限を持っていて、自分を支配する存在」だと認識しています。決して、自分がすぐれていると思って威張ろうとしているわけではありません。ただ、支配的だと感じられる相手に対して引き下がるのではなく抵抗しているだけで、抵抗することで相手よりも優位に立って、自分を守ろうとしているのです。

その際、戦略として「能動的抵抗」か、あるいは「受動的抵抗」のいずれかを選んでおり、たいていの人はケースに応じてどちらも使っています。これらの抵抗は、権力志向者だけではなく、誰もが自分の安全領域を守るために必要に応じて使っているのですが、権力欲求やコントロール欲求が強い人の抵抗には、特別な意味合いがあります。

「能動的攻撃」とは、自分の権利を主張するために争い、相手を抑え込むような行動であるため、この攻撃が起こっていることは誰にでもすぐにわかります。それに比べて「受動的攻撃」もしくは「受動的抵抗」が起こっていることは、周囲の人からはわかりません。

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