上司との交渉がヘタな人が見落とす「3つの視点」 時間を最も奪う要因は「人」、伝え方のコツは?

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さまざまな場面で応用が利く「頭出し連絡」ですが、相手があまりにも多忙な場合は、ラフな案の段階で頭出し連絡をしても脳にインプットされにくく、効果が出にくいという弱点があります。そんなときは「2案作戦」があります。

方法としては、まず何かの提案を社内で上司や役員に説明する際には、AとBの2案を持参します。そして、その場で選んでもらう作戦です。

「これこれこういう理由で2案用意しました。どちらがいいと思われますか?」

そう聞かれた相手は、「よし、A案でいこう」とその場で回答することができます。

これがもし1案だけの提案だったら、どうなるでしょうか。

提案された上司の頭には反射的に「もっといいものができるのでは」「別の切り口からも考えてほしい」という思いがよぎり、「この案も悪くないけど、もう少し考えて1週間後にまた持ってきて」という流れになる可能性が高いのです。

「反射的なダメ出し」を封じて即決させる

しかし2つの案を用意することで、そうした「反射的なダメ出し」を封じて即決させることができます。それはつまり、再提出のために要したかもしれない1週間をまるごと時短したということなのです。

「AとBの2案を作るのは大変だから、その場でOKをもらえたとしても、トータルでかかる時間はプラマイゼロになるのでは」と思われるかもしれませんが、実は「2案目」を作るのはとても簡単です。

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まず理解してほしいのは、2案用意するのはあくまでも「ダメ出しを防ぎ、その場でOKをもらうため」のテクニックだということです。どのみち片方はボツになるのだから、A案とB案の両方に均等に力を入れる必要はありません。

「本命のA案」をしっかり作り込んだのち、それをアレンジして「当て馬のB案」を作ります。A案に割く労力が10だとしたら、B案には1の労力しかかけずに対処するのが得策です。

アレンジの切り口としては「ターゲット」「予算」「デザイン」などが考えられます。大枠は同じでも「A案は若者向け、B案は30代向け」「A案は予算100万円、B案は予算150万円」「A案は赤ベースのデザイン、B案は青ベースのデザイン」など切り口を変えて提案すれば、相手は「どちらかといえば、こちらがいい」とその場で考え、回答してくれるでしょう。

時間を奪うのは結局「人」です。事前の頭出し連絡の応用で、相手とのコミュニケーションにかかる時間を大幅に削減することができるのです。

大原 昌人 ダニエルズアーク代表取締役、元「楽天市場」プロデューサー

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おおはら まさと / Masato Ohara

慶應義塾大学環境情報学部卒業。楽天株式会社に入社。少数精鋭のクリエイティブ部門に配属。楽天の心臓部「購買データ」を自由に分析する権限を得る。楽天市場全体のビジュアルを統括するWebプロデューサー・ディレクターとして、フリマアプリ「ラクマ」や、年間100億円規模の流通を生み出す「6時間タイムセール」など、数々のヒット企画に参画する。2017年からは、国内最大級の流通額を誇る「楽天スーパーSALE」の総合プロデューサーに最年少で就任。2018年、株式会社ダニエルズアークを設立し、代表に就任。「誰でも夢が見られるチャレンジの場を作る」ことを掲げ、全国各地に活躍の場を広げている。

 

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