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ライフ #長老の智慧

岩澤信夫 その3【全4回】 周りの農家に“堕農”と言われても貫き通した

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農法自体のネックもあります。前回お話ししたように、農薬を使わずに除草するためには、冬場も水を張る必要があります。しかし、今の日本で冬場も水を張れる田んぼは、4割ぐらいしかありません。取水権が複雑で、なかなか田んぼに水を引けないのです。何万ヘクタールという広域を対象とした揚水設備はあるのですが、そのうちの数ヘクタールの個人の田んぼに水を入れたいと希望しても、その設備を動かしてはくれないのです。だから私の農法は、自然の湧き水があるところや、排水路に隣接する田んぼでないとできないのです。

今、世界では穀物輸出国を中心に、不耕起栽培への移行が進んでいます。アメリカ、カナダ、ブラジル、オーストラリアなど。土の栄養分の流出を防ぎ、表面の土が風に吹き飛ばされなくて済むからです。日本でも移行が進むとよいのですが。

いわさわ・のぶお
1932年千葉県成田市生まれ。旧制成田中学(現・成田高校)卒業後、家業の農業に従事。スイカの早期栽培に成功した後、コメ作りを研究。長年の試行錯誤の後、耕さない田んぼで、農薬も肥料も使わずに多収穫のイネを作ることに成功した。日本不耕起栽培普及会会長。

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