圧倒的に「食える」仕事なのに満足度が低い理由 データサイエンティストの「持ち腐れ」が多発中

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満足度の低さの原因は何なのか。先ほどの調査によると、現役のデータサイエンティストが困っていることとして“3つのない”があるという。「手本がない」「上司の理解がない」「スキルアップのための時間がない」だ。

「手本がない」 データサイエンティストという職種の歴史は浅く、社内にロールモデルがいない。どのような仕事をすべきか、どのような役割をすべきなのか、手本となるデータサイエンティストがいない。
「上司の理解がない」 データサイエンス業務という専門性・特殊性を管理職が理解していない。自身でデータサイエンスを経験してこなかった上司も多く、データ処理や精度向上に莫大な時間がかかることなどが理解されない。
「スキルアップのための時間がない」 データサイエンスの分野は技術革新の途上であり、アップデートされる情報に追いつくために時間がかかる。分析手法やアルゴリズムなどの最新情報を幅広く収集するための時間がない。

3つの「ない」は、いずれも、データサイエンティストという職種が新しく、かつ、専門性が高いことに起因している。新しいアルゴリズムの革新性を上司に説明しても、結局、ビジネスにどれぐらい寄与するのかだけを問われて、まったく理解されないという悩みを聞くことも多い。

データサイエンティストの仕事≠「データ分析」

さらに、データサイエンティストと企業の間の意識ギャップも問題だ。例えば、マーケティング関連のデータサイエンスを担当する目的で採用されたものの、工場ラインの最適化を担当することになった話をきいたことがある。企業側としては、データサイエンスという点では同じで、短期間で成果を出しやすい業務の担当に変えたという程度の認識かもしれない。

しかし、データを分析することがデータサイエンティストの仕事ではない。結果として、担当業務が変わったことで、データサイエンティストのモチベーションが大きく低下してしまうことになった。

企業としては報酬という形だけではなく、データサイエンティストの高いモチベーションに応えることが重要だ。データサイエンスに対する企業側のビジョンを明確にし、本人たちが望むデータサイエンスの機会を提供することが重要になってくる。

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