今すぐ実践!「気温差不調」漢方医学が教える対策 パンより米が◎、甘い物や冷たい物が×な理由

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続いて入浴について。湯温は熱くしすぎないことが重要です。42~43度の熱めのお湯に短時間つかるという入り方は、気を消耗して気虚に傾きます。

少しぬるいと感じる38~40度ほどのお湯でゆっくり温まり、汗をかく前に出るのがポイントです。気は毛穴から汗とともに漏れ出ますので、ムダに汗をかくのは気虚の方にとってはよくありません。

最近はサウナが流行っていますが、これも同様で、気虚の方では体調を悪化させる要因となります。高温のサウナで汗をかいて水風呂で毛穴を閉めるのは、気が充実した人が血管を鍛えるためには悪くありませんが、すでに気虚になっている方は、一時的にはスッキリして元気になった気がしますが、結果的には気虚が進むことになります。

サウナに入りたいという方は、低温サウナや岩盤浴にとどめ、汗が出る前に終わらすのがよいでしょう。

これからの季節はいつも以上に睡眠を

睡眠も気の生成には重要です。漢方では春夏秋冬それぞれの季節で、必要な睡眠時間が異なります。これからの季節は、「日が出てから起きる」ことをすすめています。ほかの季節は日が出る前に起きるのに対して、冬はより十分な睡眠が必要なのです。

気は眠っている間に満ちていき、起床後に体中を巡ります。休息が少ないと巡る量が減り、日中に活躍することができません。眠れないからと夜遅くまでスマホやパソコンを見ているのはよくありません。眠れなくても体を横たえて、目を閉じてみましょう。

ここまで紹介してきたような生活習慣の改善を「養生」といいます。「一に養生、二に薬」と昔からいわれるように、まずは生活習慣を改善し、それでも及ばない場合に薬や治療が登場します。

気を補う代表的な漢方薬に「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。「中」とは胃腸を指します。「気を作る場所である胃を補って気を益す」という名のこの処方は、気虚の代表的な処方です。

ツボ刺激も有効です。手の指先には「井穴(せいけつ)」という、気の出入り口となるツボがあります。爪の根元の左右にあり、ここを親指と人差し指ではさんで押し、刺激するといいでしょう。

温かいペットボトルを股に挟んだり、首に当てたり、小さな湯たんぽやカイロでお腹を温めたりするのものもおすすめです。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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