今すぐ実践!「気温差不調」漢方医学が教える対策 パンより米が◎、甘い物や冷たい物が×な理由

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漢方では、気は胃で作られると考えています。胃は単に食物を消化するだけではなく、活動の原動力である気を作る重要な場所なのです。ですから、気を十分に作るには、胃の状態を整えることが重要になります。

漢方の考え方では、「胃腸は温かい状態でよく働き、湿気を嫌う」としています。胃の状態をよくするには、まずは冷たい食べものや飲みものを控えることが重要になります。「冷たい」とはどれくらいの温度を指すかというと、自分の体温を基準に、それ以下のものは冷たいと考えてください。

氷を入れた飲みものやアイスクリーム、冷蔵庫から出したての冷たいサラダやくだものは、なるべく避けたいところです。これからの時期はあまり食べる人は多くないのかもしれませんが、最近は「寒い時期のアイスは美味しい!」という方もいるので、そういう方は要注意です。

気を作るために摂りたいのは「米」

もう1つ、胃の働きを悪くするのは水浸しの状態です。近年は夏に熱中症を恐れるあまり水分を摂りすぎて、体内に余分な水が停滞する「水滞(すいたい)」の状態になっている方が多くみられます。

「秋バテ」といわれる言葉がここ数年出てきましたが、今、不調を感じるようなら、来年の夏からはこのようなことに気をつけてほしいと思います。また、砂糖や果糖を摂りすぎると体内に水が滞りやすくなるので、こちらもあわせて控えたほうがよいでしょう。

逆に、気を作るのに摂ったほうがいいものもあります。それはお米です。

気という字(旧字)は、「气」+「米」からできています。私の漢方の師は体調を崩している方たちに対して、「パンを食べている奴には漢方薬は出さないよ! 気は米を食べないと作られないのだからね」と言っていました。

最近は、糖質制限のブームで米をまったく食べない人が増えていますが、漢方的にはこれは大きな偏りを生み出します。

米は春夏秋冬のすべての季節の気を受けた、優れた穀物であるとされています。私は施術の前に患者さんに毎日食べているものを聞いていますが、「朝はコーヒーとトーストにヨーグルトやフルーツ、昼は麺類、夜はおかずだけでご飯は食べない」といった食事をしている方がたくさんいて、驚きます。

理想は焼き魚定食のようなメニューです。ご飯に味噌汁、肉あるいは魚、野菜をバランスよく食べるのが、漢方の考えからみても優れているのです。

飲みものに関していうと、コーヒーなどカフェイン入りのドリンクには気を巡らせる働きがあるので、少しの間は元気になります。しかし、気が不足しているときに飲んでしまうと、気を無理に巡らせることとなり、結果的には気の消耗を招きます。ドーピングのようなものであるので、気が消耗しているときは控えたほうがよいでしょう。

気虚は冷えを生み出しますから、冷えに対する対策も必要です。この時期、上着を1枚羽織っている女性は多いですが、足元をみると寒々しい格好をしている方が少なくありません。

漢方では、「足元は温かく、上半身は厚着しすぎない」ことを理想としています。上熱下寒の状態は、気の巡りを逆行させてしまうため、気の消耗を招いて、気虚に陥ります。上半身よりも下半身を温めることをおすすめします。

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