日本人は「英語が細部まで表す言語」だと知らない 謝罪のさまざまなパターンから見る「英語のクセ」

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謝罪には「理由」「約束」以外にもさまざまな要素が加えられます。次の食事の誘いを断る状況を眺めてみましょう。

(1)では簡単ですが理由が述べられています。これが最低限の応答です。

(2)はさらにI'd love to (=I would love to), but~によって、「願望」を加え好感度を上げています。

(3)では仮定法I wish I could.「[実際にはできないが]できたらいいのですが」で「願望」を表しているだけでなく、さらにHow about~?(~はいかがでしょうか?)と「代案」を加えています。ここまでできれば、会話上手。断られたことを不快に思う人はまずいません。

謝罪パターンだけでなく、ことばを尽くす、英語の基本的な態度を身に付けてください。

深刻な状況での謝罪パターンで使われるapologize

「I'm sorry.では謝罪が足りない」と思ったとき、使われるのがapologize(謝罪する)という動詞です。sorryは「悲しい・残念です」と心の痛み全般を表す単語。「謝罪」に特化した単語ではありません。apologizeからはしっかり「謝罪」が響くのです。

ネイティブスピーカーは「自動的に」口から出てくる

(1)は、友達の持ち物――たとえばカメラ――を壊してしまった状況。apologizeを使って、sorryより一段上の謝罪を表しています。

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(2)はオーダーをまちがえてちがうものをもってきてしまった状況。allow(許す)が用いられ、「私が謝罪することをお許しください」という大変丁寧な謝罪となっています。

(3)は誤って過剰に請求してしまった店員が謝罪している状況です。助動詞doを用いて謝罪の強調が行われています。こちらもしっかり慣れていただきたい形です。

さまざまな謝罪のフレーズを取り上げましたが、ネイティブスピーカーたちにとってこれらはすべて、考えることなく「自動的に」口から出てくるフレーズ。すべてはリソースのリスト中にあるのです。私たちも流暢に話したければ、音読・暗唱などを通じて同じリソースをもたねばなりません。

大西 泰斗 東洋学園大学教授

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おおにし ひろと / Hiroto Onisi

筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程修了。英語学専攻。オックスフォード大学言語学研究所客員研究員を経て、東洋学園大学教授。NHK ラジオ「ラジオ英会話」講師。著書に『ネイティブスピーカーの前置詞』(研究社)、『一億人の英文法』(東進ブックス)、『英語表現 WORD SENSE 伝えるための単語力』(桐原書店)など多数。2021年9月からNHKテレビ「大西泰斗の英会話☆定番レシピ」に出演。

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