早期退職よりFIRE"クビ"が怖い人に伝えたい事 目指したい将来に現状を変えていくことが重要

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そもそも、なぜ将来が不安なのかというと、現状の足元が不安定だからです。問題なのは、「描けない将来」ではなく、「将来を描けない現状」です。したがって、現状を大きく変えるということが、将来を変える前提となるのです。

もう一つ大切なのは、将来の理想の姿は自身で創り上げるということです。何歳で仕事を引退する、または生涯現役でいる。そういった人生の設計は、誰かの理想や考え方を前提として捉えてしまってはいけません。
他人の人生と自分の人生とは違うのです。他人は他人の人生に責任を持ってはくれません。

幸せの形も幸せのつかみ方も人それぞれ

人生では、自身の経験や、知識に基づいた自分なりの価値観や志に基づいて、歩む方向や、どこまで歩むか、どう歩むかなどを考えるべきなのです。それが本当の意味での大人の人生です。

人生設計や人生における決断において、外野に踊らされてはいけません。幸せの形も、幸せのつかみ方も人それぞれです。ちょうだいした相談に記載されているようなことを含め、いろいろなアイデアや生き方が世の中で謳われていますが、あくまでも一つの考え方であり、自身にとっての人生の正解であるか否かは、まったく別問題なのです。

ですから、まずは自分がどんな人生を歩みたいのかを考え、そのなかで仕事をどう位置付けるか、そしてそのために今何をすべきか。そういった流れで、まずは自分なりの人生の正解を見つけ出すべきなのです。

その際、理想とするすべてを一気に実現することはできないでしょうから、優先順位や取捨選択が求められます。そして当然ですが、その優先順位や取捨選択も、自身の価値観や志に基づいて決めるべきで、他人の真似をする必要はありませんし、真似をすべきでもありません。

要は、先行き不透明ななかで、「自分の生きるべき理想は自分で考える」ということが問われているのです。100人いれば100通りの人生や幸せの形がある。その当たり前のことが問われているということです。

ITさんが投稿をきっかけに、周囲の声に惑わされず、自分にとっての理想が何かを考え、ご自身なりの正解と思えるゴールに向かって最初の一歩を歩み出すであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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