40分に1本「無料町民バス」実証実験は成功するか 震災10年の津波被災地をたどる・女川雄勝編

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女川町民バスは女川駅前で各系統がうまく接続するようになっている(筆者撮影)

石巻市は2005年、牡鹿町をはじめ、桃生町、河南町、河北町、雄勝町、北上町と広域合併し、それまで旧北上川河口部の市街地に限られていた市域が、北上川の下流全体に広がった。唯一、この地域で合併に加わらなかったのが、東北電力女川原子力発電所の立地により財政が豊かな女川町で、独自の道を歩んでいる。

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2021年9月16日木曜日の朝、路線バスなど公共交通機関を乗り継いで津波被災地を北上する旅を女川駅から再開した。まず駅前に立てられた、皇后陛下(現在の上皇后陛下)の「春風も沿ひて走らむこの朝(あした)、女川駅を始発車いでぬ」の歌碑をありがたくも感慨深く見る。

2015年3月21日に石巻線浦宿―女川間が運転を再開したことを知られた陛下が、翌年の新年に発表された歌だ。被災した住民が公共交通機関にどのような思いを抱いているかを代わりに詠まれたと受け止め、女川へ来るたびに眺めている。

離島を結ぶ定期航路

まずは中心部に近い、女川町離島ターミナルから6時50分発のシーパル女川汽船に乗り、離島の出島(いずしま)、江島(えのしま)を一周する。1日3便で、どちらかの島へ先に寄り、三角形に一回りする。

町の中心部と出島・江島とを結ぶシーパル女川汽船(筆者撮影)

ちょっとだけ島に立ち寄って女川に戻りたい私には使いづらいダイヤで、いろいろ考えたあげく、遠いほうの江島までの往復乗船券を2200円(片道1100円)で買って、島では下船せずに戻ってくることにした。

シーパル女川汽船も第三セクター会社。民間会社が経営悪化で撤退した後を引き継いで、離島の生命線を1隻の高速船で守っている。ただ、やはり東日本大震災後、両島とも人口流出が著しく、50〜70人程度にまで減ったとのこと。本土にごく近い出島へは架橋計画が進んでおり工事現場が船からも眺められるが、江島は女川港から約14km離れており、今後も船が頼り。

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