40分に1本「無料町民バス」実証実験は成功するか 震災10年の津波被災地をたどる・女川雄勝編

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その後、10月21日木曜日に女川を再訪した。次に乗るべきは女川湾の北岸を走る北浦線だが、やはり朝〜昼に町の中心部へ向かい、午後に戻る1日3往復のダイヤに阻まれ、スケジュール組みに難航した。

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震災までは、北隣の旧雄勝町から石巻市民バスが女川駅前まで乗り入れていたそうだ。地図を確認してみると、確かにJRの駅としては石巻より女川に出たほうが、雄勝からは近く便利だ。それに乗れれば万事、解決だったのだが運休ではいかんともしがたい。復活は無理なのか。

現在は雄勝地区石巻市民バス水浜線が、市域の南端の波板まで来ている。北浦線の終点、指ヶ浜団地からは歩いて1時間弱と見られるが、デマンド制で前日までの予約が必要、かつ乗車できる時間帯が限られている。北浦線とはうまくつながらない。

運賃無料だが乗客の数は?

結局、女川駅前から早朝にタクシーで移動し、指ヶ浜団地6時32分発の1便で女川駅前まで戻った。朝の湾の風景は美しく、小さな漁港での水揚げ風景は心を打つ。10月に入っているので、町営バスの運賃は無料だ。やはり団地を丹念に回るルートで、途中の尾浦では、出島への橋へつながる道路新設工事現場を通りかかる。

北浦線の終点、指ヶ浜団地で待機する町民バス(筆者撮影)

バス車内には上り1便は学生で混雑するので、学生以外は2便の利用をとの掲示があり、どうなるかと思っていたが、乗客は終始、私1人。少子化と人口流出で、子供、若者世代が沿線にはいなくなってしまったのではないかと危惧した。

なお、女川町が配布している町民バスガイドブックは、走行ルートが正縮尺の地図上に入っており地理が把握しやすく、石巻市のバスマップを上回る使いやすさであったことを付記しておきたい。

旧雄勝町へ向かうにあたって、女川8時32分発の石巻線に乗った。鉄道の旅をしばし楽しんで鹿又で下車。石巻市中心部と旧河北町はミヤコーバス河北線と石巻専修大学線が結んでいるが、適当な時間にバスがなく、鹿又駅前からは再びタクシーで道の駅・上品の郷を目指す。そこが市民バスのターミナルとなっているのだ。

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