京急、旧ホテルパシフィック「解体直前」最後の姿 「アリガトウ」駅前開発の象徴に描く"品川愛"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
解体直前のシナガワグース(旧ホテルパシフィック東京)に出現した「アリガトウ」の窓文字(記者撮影)
この記事の画像を見る(50枚)

2021年春に閉館した品川駅西口(高輪口)の商業施設「SHINAGAWA GOOS(シナガワグース)」は、かつて京浜急行電鉄が社運をかけて建設した「ホテルパシフィック東京」だった。1971年の開業以来、半世紀にわたって品川の発展を見守り続けてきたシンボルはいよいよ取り壊しが迫り、見納めの時期を迎えた。

窓文字で最後のメッセージ

閉館から半年が経った10月22日、品川駅側の正面の横幅いっぱいに、巨大な「アリガトウ」の5文字が出現した。客室の窓にピンク色の紙を貼り付けた「窓文字」だ。京急によると、11月には本格的な解体作業に入ることになっているため、この窓文字が見られるのは10月29日までの8日間限定という。

「鉄道最前線」の記事はツイッターでも配信中!最新情報から最近の話題に関連した記事まで紹介します。フォローはこちらから

中層階には40部屋分の窓を使い、大きなハートマークを配置した。1つの窓につき4枚の画用紙を用いており、全体で計100を超える窓をピンク色に変えた。

窓に紙を貼る作業は10月22日の午前10時ごろ開始。京急社員と解体を担当する大成建設のスタッフ、合わせて約20人が参加した。上層部のエレベーターホールは照明もなく真っ暗闇の中。解体の準備が進む廊下から、ベッドやソファ、テーブルなど備品がすべて運び出されてがらんとなった客室に入り、約3時間半かけて作業した。当日は気温が低く、冷たい雨が窓の外を濡らしていた。

次ページ担当者「地域と利用者に感謝」
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事