運行わずか1年半「幻のモノレール」の経営実態 設備に問題あったが計画・運営もずさんだった
2021年7月、湘南モノレール(大船駅―湘南江の島駅間6.6km)は全線開通50周年を迎えた。これとは別に、かつて大船駅を起点とするもう1つのモノレールがあったことをご存知だろうか。大船駅とドリームランド駅(横浜市戸塚区俣野町)間5.3kmを結んだドリームランドモノレールである。
同モノレールは、1964年8月に開園した遊園地「
昨今、メーカーの品質不正問題が取り沙汰されているが、
なぜモノレール計画が?
そもそもなぜ、この地にモノレールが敷設されたのかといえば、横浜ドリームランドへの交通の不便さが主な理由だった。
横浜ドリームランドは、ホテルやボウリング場などを併設した、今でいう複合レジャー施設だった。だが、最寄りの国鉄大船駅から5km以上も離れた場所に位置し、バス・タクシーで移動しようとすると、途中に「渋滞の名所」として悪名高い「原宿」交差点があった。しかも、山坂の多い周辺の地形から通常の鉄道の敷設は不可能に近い。
こうした条件に適合する交通手段として、橋脚の高さで高低差を調整でき、ゴムタイヤの採用により登坂力にも優れたモノレールはうってつけだったのである。
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