買収6年「湘南モノレール」、高い買い物だったのか 2015年に「みちのりグループ」入り、全通50周年
そもそもなぜ買収したのか
――まず、M&Aの経緯について伺います。当初、三菱グループからは、どのような話があったのですか。
三菱重工さんは、各地にサフェージュ式モノレール(当時のフランスの企業連合が開発した懸垂型=ぶら下がり型モノレールの技術)を売り込むショールームの目的で湘南モノレールをつくられたそうですが、結局は湘南のほかは千葉都市モノレールでしか実現せず、今後、新たな路線が建設される可能性は、ほぼなくなっていた。つまり、ショールームとしての役割は終わっていたわけです。
ところが、年間輸送人数はその時点で1000万人に近く(2014年度年間輸送人員は997万4000人、2015年度は1031万2000人)、生活目的の公共交通として機能している以上、やめるにやめられない、誰かに引き継がなければならない状況にあるというお話を最初に伺いました。われわれのグループ内には福島交通飯坂線という鉄道路線があり、鉄道事業に関しての知見もありましたので、お話を伺って非常に興味を持ちました。
私はそれまで湘南モノレールには実際に乗ったことがなかったので、お話があってからすぐに乗りに行きました。
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