小学4~6の3割超が「やせ願望」命にも関わる深刻 「摂食障害」で医療機関を受診する10代前半が増
小学4~6年生の約3人に1人がやせ願望を抱いている――。
国立成育医療研究センター「コロナ×こどもアンケート第5回」の調査によると、小学4~6年生の子どもの3割が今の自分の体型について「太りすぎ」「太りぎみ」と回答し、36%が「やせたい」と答えた。
成人、特に20代の日本人女性は世界的に見てもやせ傾向が高く、将来の不妊などにつながる問題として近年捉えられている。そんななかで、やせ願望の低年齢化は次世代につながる衝撃的な問題といえるだろう。
文部科学省「令和2年度学校保健統計調査」を見ると、肥満度が+20%以上の肥満傾向児は11歳男児で約13%、女児では約9%と、肥満傾向児は10人に1人程度だ。つまり、太っていない多くの子が自分のことを太っていると思い、やせたいと感じているわけだ。
(文部科学省学校保健統計調査「肥満・痩身傾向児の算出方法について」より引用)
ちなみに、これが中学生になると、「太りすぎ」「太りぎみ」の回答が48%、「やせたい」が64%まで上昇する。
やせ願望の低年齢化は医療現場でも
やせ願望の低年齢化は医療現場でも実感しているという。
「15年ほど前は、摂食障害で受診する子どもの多くは中学生だったが、この5年ほどは10代前半が圧倒的に増えた(※高校生以上は小児科を受診しないため対象外)。10歳以下も少なくない」というのは、福島県立医科大学附属病院小児科医の鈴木雄一氏だ。
肥満度が-20%以下の痩身(やせ)傾向の児童は、3%前後と肥満傾向児の3分の1以下。にもかかわらず、病院を受診するのは圧倒的にやせている子が多いという。
「小児の肥満は将来の生活習慣病(いわゆる成人病)につながるものの、10年くらいかけて蓄積され、小児のうちに何かを発症することは少ない。しかし、やせは大人も子どもも命に関わる。受診時に即入院のケースが多く、緊急性が高い」(鈴木氏)ことが理由だ。
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