キャンピングカー業界がコロナ特需を喜べない訳 レンタル需要が増えても売上が伸び悩む理由は

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クレソンジャーニー エボライトのダブルベッド(筆者撮影)

だが、売上的には以前に及ばない。武原氏は、その理由に「日本人のレンタル期間は平均で2.5日と、欧米からの訪日外国人と比べ圧倒的に短い」ことを挙げる。レンタル期間が長いほうが、利益率は高くなるからだ。

エルモンテRVジャパンでは、レンタルから戻ってきた車両は、すべて車内外をクリーニングするが、とくに室内が広いキャンピングカーの場合は手間や時間がかかる。ご時世柄、消毒作業も行うようにしているため、1台あたり丸1日はかかるという。

つまり、短い期間で返却された車両は、空いていてもすぐに貸し出しができるわけでもなく、消毒・清掃の頻度も増える。クリーニングにかかる費用や人件費は、レンタル期間が長い車両に比べ、おのずと高くなるのだ。ちなみに同事業部では、2019年までは東南アジアや台湾からのインバウンド利用客もいたそうで、レンタル期間は平均5泊。欧米人と比べると短いが、やはり日本人の利用客に比べると長めだったという。

日本人利用客の特徴

日本人利用客は、「キャンピングカーの運転がはじめて」というユーザーが多いことも特徴だ。キャンピングカーが身近な欧米人は、日本の右側通行に慣れてしまえば、運転や操作などにあまり問題がない。また、貸し出しするレンタル車両は比較的大きい車格であるため、中には車体を壁などにぶつけて傷つけるなどの事故もある。面白いのは、事故を起こすユーザーは、若い世代で少なく、クルマの運転に慣れているはずの40代が圧倒的に多いということだ。そういった層は、普通車のつもりで運転を油断し、意外に車体が大きいことでぶつけてしまうケースがほとんどだそうだ。武原氏は、「若い人は慎重に運転する人が多い」ため、事故が起こったことは今まで皆無だという。

お盆休みや年末年始など、利用時期が集中する傾向にあるのも日本人利用客の特徴だ。一方、訪日外国人、とくに欧米からの利用客は4~6月、12月のクリスマス休暇時期が多い。時期的にも訪日外国人のほうが幅広いそうだ。日本も休日の数では世界的に多いが、圧倒的に違うのが平日の休み。欧米からの利用客には、前述のとおり、ファミリー層も多かったが、小学生くらいの子どもが「学校を休ませているとしか思えない」時期に親と訪れ、平気で2週間以上旅するケースも多かったという。同じ時期に一斉に休む日本人と、子どもの学校を休ませても自分のペースで旅する欧米人。善し悪しは別にして、休暇の考え方や取り方の違いが現れており、それが同社の収益にも影響が出ているようだ。

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