「繊細さん」も心がスーッと軽くなる僧侶の思考法 「気がつきすぎて疲れる人」を救う古代の知恵

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しかし、繊細な気質と生きづらさはイコールではありません。繊細さんでも元気に働いている方がたくさんいますし、困っていなければ、自分が繊細さんだと気づく必要もないと思います。ただ、労働環境が悪くなり、非正規雇用が増えるなど、自分が生き残れるかどうかわからないという社会環境で、繊細さんか非・繊細さんかを問わず、悩む人も増えているように思います。

安価なものを大量に提供するという社会の流れのなかで、職場には余裕がありません。スピードも速くなり、マルチタスクが増えました。

コロナ禍でテレワークが広がり、残業が減る、休まざるをえない状況になるなど、社会のスピードが落ちました。すると、緊急事態宣言が明けてから「元のスピードに戻れない」という話を聞く機会が増えたのです。

つまり、もともとが速すぎて、みなさん無理をしていたわけですね。多くの方が、このことに気がつきはじめたように思います。

一方、家にこもってニュースやSNSをみる時間が増えたこともあり、不安も高まりやすくなっています。もともと不安とは、先のことを考えている状態です。過去をもとに未来をシミュレーションし、「こうなったらどうしよう」と悩むんですね。これはすべて頭が考えることです。「心が落ち着かない」という表現がありますが、本当に落ち着いていないのは、心ではなく頭です。ひっきりなしに考え続けている状態なのです。

「脳」を休ませるために今すぐできること

現代は、ネットニュースにSNS 、メールなど、多くの情報にさらされており、脳にはその情報を消化する時間が必要です。繊細さんの場合、深く考えるという性質がありますから、つねに大量の情報を処理しています。ひっきりなしに情報を取り入れていると、交感神経が活性化し続けます。ずっと考え事をしている状態になり、眠ってもうまく休めない状態になってしまいます。

武田 友紀(たけだ ゆき)/HSP専門カウンセラー。自身もHSPである。大手メーカーで研究開発に従事後、カウンセラーとして独立。HSPの心の仕組みを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判を呼び、全国から相談者が訪れる。著書に『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)、『繊細さんが「自分のまま」で生きる本』(清流出版)などがある(写真:本人提供)

意識的して副交感神経を働かせ、交感神経を休める必要があります。そのためには、散歩をするのもいいですし、野菜を切る、洗濯物をたたむなどの単純な作業も効果があります。マインドフルネスや瞑想も、脳を休めることにつながっています。

カウンセリングでも、「周りに振り回される」という方には、ネットの閲覧時間を減らし、ニュースを見るのをやめるなど、情報から離れましょうとお伝えすることがあります。情報から離れると、少し落ち着くんですね。

SNSの使い方にも工夫が必要です。ホーム画面に滞在していると、次から次へと情報が飛び込んできて、頭が忙しくなります。本当につながりたい人とだけつながる、読んで元気が出る投稿だけを選んで見るなど、情報を絞ることをおすすめしています。

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