「繊細さん」も心がスーッと軽くなる僧侶の思考法 「気がつきすぎて疲れる人」を救う古代の知恵
繊細さんは、相手の気持ちを受け取るのが上手な人が多いんですね。むやみに否定せず、寄り添って話を聞くという姿勢を持っている。すると、困っている人や、愚痴を言う人が寄って来やすいという面があります。「これ以上は聞けない」という線引きなしに受け入れていると、相手に依存されてしまうことがあるんです。
延々と愚痴を言い続けたり、相手に強く依存する方は、根っこにトラウマを抱えている場合があります。そういう相手に1人で対応し続けるのは難しいものです。
『モンク思考』では、そういう人を「溺れかけている人だ」と考え、「ライフガードを呼びに行こう」と書かれていますね。もしそういう相手に出会ったら、「カウンセラーが必要なのかもしれない」と考え、自分一人ですべて背負おう、助けようとは考えないことが大事です。
もっとわがままになろう
『モンク思考』では、奉仕が重要視されていますが、繊細さんは、基本的には奉仕の精神がある人々です。周りの人のことをよく考えますから、自然と奉仕の方向へ進んでいくのです。
ただ、奉仕は本来、自分が元気でなければできないものです。自分をないがしろにして相手のために尽くすと、それは奉仕ではなく自己犠牲になってしまいます。本書に書かれている奉仕とは違い、我慢がたまりますから「あんなにやってあげたのに」と見返りが欲しくなるのです。
ですから私は、繊細さんには、「もっとわがままになろう、もっと自分のために生きよう」とお伝えしています。元気であれば、自然とまわりに目が向く人々なのですから、奉仕の前に、まずは自分のための時間を持つことです。
自分を大事にできてはじめて、本書に書かれている本当の意味での「奉仕」に行き着けるのだと思います。
幸せな道を見つけるには、立ち止まることが大切です。そのためには、頭の思考に振り回されず、体(五感)で感じる時間が必要です。ぜひスマホをオフにして、ヨガをしたり、洗濯物をたたんだり、散歩をしたりと、頭を使わないことをやってみてください。
情報から離れて頭を休め、「自分以外の誰か」の価値観から距離をおく。そうすることで自分本来の感覚が戻ってきます。感覚を取り戻し、ニュートラルな状態で物事を見ることで、自分を幸せにする選択をしやすくなりますよ。
(構成:泉美木蘭)
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