「あげる」という人生初のビッグな娯楽に目覚める 相手も私もモノも「八方よし」の幸せな関係

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今週は別のご近所さんから「のっぺい煮」をいただく。もちろんすぐにお燗をつけて……(写真:筆者提供)
疫病、災害、老後……。これほど便利で豊かな時代なのに、なぜだか未来は不安でいっぱい。そんな中、50歳で早期退職し、コロナ禍で講演収入がほぼゼロとなっても、楽しく我慢なしの「買わない生活」をしているという稲垣えみ子氏。不安の時代の最強のライフスタイルを実践する筆者の徒然日記、連載第29回をお届けします。

「もらう」ことを考えたことがなかった私

何かが欲しいと思った時、

①あるもので何とかする ②もらう ③買う

という三つの選択肢の中から選ぶ習慣がすっかり身についてしまったことを、前回ご報告させていただいた。

稲垣えみ子氏による連載29回目です。

そして、こうなってくると「買う」ところまで行き着かずに終わることが多い(というかほとんど)ということもご紹介した。一本の矢は簡単に折れる、しかし三本となるとなかなか折れない……というのはまさしく本当のことだったのだ。

かくして私は、単純計算では従来の3分の1のお金さえあれば従来と遜色ない生活ができてしまうという、それまで考えたこともなかった人生を歩み始めたのである。

で、この三本の中で、どう考えても一番ハードルが高いのが「もらう」なんじゃないだろうか?

いや、ハードルが高いというよりも、そもそも現代を生きるわれらは「もらう」なんて考えたこともない人がほとんどなんじゃないかと思う。

もちろん私もそうだった。

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