「ロビ」生みの親が語る、開発の知られざる裏側 高橋智隆氏に問う日本のロボット普及への道筋
購入者の間で失望が広がった
「ロボットブームは、数年前に一度終わりましたよ」
日本のロボット産業の現状について尋ねると、高橋さんからはこんな答えが返ってきた。
2000年代後半から2010年代にかけて、マイクロソフトやGoogleなどの大物プレーヤーが鳴り物入りでロボット事業に参入。さらには数多くのスタートアップが続々と誕生し、この分野は一気に盛り上がった。
「ロボットブームを牽引した原動力が、クラウドファンディングです。それまでハードウェア開発に新規参入するには、生産設備や原料の仕入れに多大な先行投資を必要としました。参入障壁があまりに高すぎて、ハードアウェア関連のスタートアップが誕生しにくい状況だったのです。
それがクラウドファンディングの登場によって、ものを作る前に購入希望者を募り、注文を確保して資金を集めることが可能になった。ロボット開発を前提とした起業も成立するようになりました。これ自体は画期的な出来事だったと言えます」

















