世界初の「診る」人工知能 人間知生かす省エネ診断《戦うNo.1技術》

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6月上旬のある日の午後、京都市立南太秦(うずまき)小学校の職員室に、けたたましいブザー音が鳴り響いた。校内ほぼすべての教室で一斉にエアコンを使ったためだ。職員は慌てて校内放送を流し、最も電気代を食うエアコンの主電源を切った。

ブザー音は「電気使用量のピークが前年度比90%を超えた」という警告。盆地に位置する南太秦小では、7月ともなると、1日に数回ブザーが鳴る日も珍しくない。

この“ブザーでお知らせ”、現在、京都市内の全公立学校283校で稼働している。2006年春に市教育委員会が導入した、オムロン製エネルギー管理システム「e−watching」(以下、eウォッチング)」だ。

電力メーターに取り付けたセンサーが電力使用量を記録し、無線LANでデータセンターに測定データを飛ばす。職員がPCからアクセスすれば、リアルタイムで直近の電気使用量を確認できる。設定値が前年度比90%を超えるとブザーが鳴り、警告を発する仕組みだ。

感知&制御技術でNo.1 人の意思を機械に搭載

京都市に本社を構えるオムロンは09年度売上高5246億円、工場自動化用機器のパイオニアである。その「世界初」の開発力には定評がある。1967年には自動券売機と改札装置による無人駅システムを世界で初めて実用化し、71年には世界初のオンライン現金自動支払機を開発した。

コア技術は、「センシング(感知)&コントロール(制御)」だ。人間の意思を機械が実行できる情報に変換し、製造現場のニーズに応える。完成品のバラツキを感知するセンサーや自動化ラインの作業を指示する制御機器に強く、工場用機器で国内4割のシェアを握る。高精細が要求される製造現場からの支持が、機器の性能の高さを物語っている。

強みであるセンシング技術で、オムロンが新たに乗り出したのが環境事業だ。その第一歩となるのがeウォッチング。既存事業並みの競争力を確保すべく、目下技術をアップデート中だが、主力となる担い手は、エネルギー管理専門の自社コンサルタント約30人だ。

冒頭の南太秦小の場合、悩みは高止まりする光熱費だった。エアコン導入で電気代が急増、赤字20万円と足が出ていた。オムロンのコンサルタントが訪れ、体育館や職員室、音楽室など十数カ所にセンサーを取り付けたのが昨年。学校ならではの無駄の分析・抽出が始まった。

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