"顔"で脂乗りがわかる「旬のさんま」上手な焼き方 初心者でも処理は簡単!フライパンでもOK
さんま さんま さんま苦いかしょっぱいか――
これは佐藤春夫が詠んだ詩「秋刀魚の詩」(一部抜粋)です。当時、谷崎潤一郎の妻に横恋慕していた作者が秋の夜、ひとりでさんまを焼き、そのわびしさに涙をこぼす……という内容。
1922年に書かれた約100年も前の詩なのに、男がさんまに向き合いながら飯をもそもそ食べている様子があざやかに伝わります。昔も、今も、秋はさんまを食べていたのですね。
おいしいさんまの見分け方
毎年、さんまは9月から11月くらいまで市場に出回りますが、シーズンの立ち上げは高価で、徐々に値段が下がります。つまり、10月中旬くらいが一番安価になる季節。脂がのっておいしくなったさんまを今年は自分で焼いてみませんか?
まずおいしいさんまの見分け方から。
巷では、目が透明なものがよいとか、口(くちばし)が黄色いものがいいとかいいますが、野本さんが推すのは「小顔のさんま」。
いわく「さんまの魚体は長さはそれほど個体差がないので、脂のノリは身体の太さに表れます。つまり上からみた時に幅が太いさんま(太っているさんま)が美味い。肩のあたりからぐっと盛り上がって、小顔に見えるくらいのさんまがいいと思います」とのこと。
なるほど、小顔のさんまを探してみましょう。