新築マンションがここまで高くなった「真の理由」 コロナ禍で家という空間への考え方も激変した

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コロナ禍がきっかけとなり、人々の仕事や住まいに対する考え方は劇的に変化しました。新たな家の買い方と街の選び方をご紹介します(写真:M-N-S/PIXTA)
コロナ禍がきっかけとなり、人々の仕事や住まいに対する考え方、受け止め方は劇的に変化しました。社会が変わるとき、決まって劇的に変化するのが不動産の世界です。長く不動産の世界に身を置き、業界の動向に精通した第一人者・牧野知弘氏は「人とのつきあい方、仕事の価値観が変わるとき、一番先に変化が表れるのが不動産」と断言します。
新しい不動産常識について牧野氏が書き下ろした『ここまで変わる!家の買い方 街の選び方』より、新たな家の買い方と街の選び方をご紹介します。

通勤がなくなり、多くの日本人の生活に変化が

コロナ禍による行動抑制は、私たちの働く基本である「通勤」という行為を制限するものになりました。多くの会社では、オフィスにやってこない社員に対し、テレワークという働き方をするように命じました。社員ひとりひとりにパソコンなどの情報通信端末を持たせ、基本的には在宅のままで、仕事をする勤務形態に移行したのです。

緊急事態宣言が明け、通勤する人は増えつつありますが、それでも通勤客で大混雑するはずの鉄道駅も、肩を触れ合うほどのぎゅうぎゅう詰めだった電車も、かつてに比べればかなりすいています。

通勤は、多くのワーカーにとっての「日常」であったはずです。働くためには常識であった通勤がなくなったことは実は、多くの日本人の生活に大きな変化をもたらし始めています。

東京に勤務するワーカーの多くは、都心にある会社のオフィスまで通常片道1時間程度の通勤をしています。途中1度か2度の乗り換えをしながら。

ところが、通勤がなくなったおかげで往復2時間の余裕が生まれました。駅まで歩かなくてよい、混んでいる電車に乗らなくてもよい、雨だろうが、風だろうが、暑さ寒さもとりあえず関係ありません。通勤がなくなったというだけで、身体にかかるストレスが大幅に軽減しました。

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