新築マンションがここまで高くなった「真の理由」 コロナ禍で家という空間への考え方も激変した

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マンションも車と同じで、竣工、分譲されて引き渡されてしまえば、即中古扱いです。売れずに販売在庫となっているものでも1年以上経過したものであれば、新古物件として価格は下がっていきます。価格が安い分の一部をリニューアル費用に充当してもよいでしょう。中古でも特に水回りを重点的にリニューアルすると、住み心地は格段に向上します。たとえば浴室や洗面台、トイレなどを最新のものに替えると、費用は200万円から300万円程度ですが、まるで新築マンションに住むような気分になれるでしょう。

マンションは賃借することがベスト

私は、長年にわたって不動産業を生業としてきましたが、マンションは賃借することがベストであると思っています。もちろんすごく気に入ったマンションがあってどうしても買いたいという人がいます。反対はしません。

『ここまで変わる!家の買い方 街の選び方』(祥伝社新書)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

忙しいビジネスパーソンにとって、マンションはとてもよいと思います。夫婦共働きなどであれば、1日の大半は、実際にはマンション内にはいないわけですから、セキュリティーなどを考えればマンションは適当です。しかし、ビジネスが忙しければ働く拠点が変わる。

また家族構成が変わっていきます。今よいと思っているマンションでも自分の働くステージやステイタスが変わる可能性が高いのならば、住まいもなるべく柔軟に変えていきたいものです。

ならば賃借するのがよいです。マンションは所有してしまうと、意外と厄介なものです。

ローン返済額と賃借料の絶対値だけを比較して、どっちが得だといったくだらない議論がいまだに多いですが、所有するということはその物件が自身の生活にまとわりついてくることです。

次回の記事では、それでも買いたいという方へ、新しい時代の戸建て住宅の購入のコツについてご紹介します。

牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

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まきの ともひろ / Tomohiro Makino

1959年生まれ。東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループなどを経て三井不動産に勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て独立。現在はオラガ総研代表取締役としてホテルなどの不動産プロデュース業を展開。また全国渡り鳥生活倶楽部株式会社を設立。代表取締役を兼務。著書に『不動産の未来』『負動産地獄』『空き家問題』『2030年の東京』(河合雅司氏との共著)など。

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