月商50万円超えも!50歳から「ゆる起業」の実際 「うまくいった人」はどう進めていったのか

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現在の定年制度は65歳まで延長。60歳を超えると再雇用の対象になる人が増えるが、正社員ではなくなったことで副業が解禁され、会社勤務+起業のWワークに取り組むケースも増加している。

日本の開業率は先進国の中でも低水準

さらに日本政府が開業率を上昇させる方針を打ち出していることも影響している。

「日本の開業率は世界的に低く、'18年時点で4.4%、現在は5%前後です。イギリスは約13%、アメリカやフランスは約10%。経済産業省は開業率を10%にする目標を掲げ、起業を後押ししています」

地方自治体などはさまざまな起業を支援する制度を作り、起業する人を増やそうとしているのだ。

スローでも長く続ける「ゆる起業」のすすめ

起業というと、女性にはハードルが高いイメージだが、実際はそうでもない。

「弊社に相談に来られる方は、元管理職やキャリアウーマンよりも、ごく普通の主婦が多いです。子育てが一段落したタイミングで自分の人生を取り戻したくなるのでは」

片桐さんはそんなごく普通のシニアでも起業できる「ゆる起業」を提唱している。ゆる起業のポイントは5つ。(1)本当にしたいと思えること、(2)やりがいを感じること、(3)経験を活かせること、(4)利益をあまり追求しないこと、(5)健康がいちばんであること。

「ゆるく始めても長く続ければ、これからの老後に頼れる収入源になります」

そのメリットや具体的な方法を聞いてみよう。

金銭的なリスクは避け「小さく起業」を目指す

シニアから起業するメリットはなんだろうか。

「生きがいや収入が増えること。これまでの人生経験を活かしてサービスを提供し、人から直接感謝を伝えられるのがうれしいという方が多いです」(片桐さん、以下同)

大企業で働くほど消費者の顔は見えなくなり、家事や育児に奮闘しても感謝を伝えられることは少ない。そんなジレンマを起業で解消できたという人も。逆にデメリットも聞いた。

「金融機関からお金を借りた場合、事業に失敗すると資産が減ってしまうケースがあります。老後の経済破綻は避けるべき。まずは少ない資金で開業するのがおすすめです」

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