傲岸なメディア人に陥らない為に確認したい道標

ジャーナリズムという「いかがわしい」世界の中で

(写真:yamasan/PIXTA)
「国民の命と財産」がまさに危機に瀕したパンデミック下、無為無策に終始した為政者たちは次々と政権を放り出し、いまその筆頭者がキングメーカーを気取り、後釜に居座ろうとする者たちとまたも権力闘争にうつつを抜かしている。(中略)そうして破壊活動に邁進した為政者たちへのささやかな抵抗の記録である――。(『破壊者たちへ』序に代えてより)
闘うジャーナリストが、失意の時代を見つめ、その淵源を射抜き、新たな希望を語る。テレビやラジオのコメンテーターなどとしても活動する青木理氏が、『サンデー毎日』の連載コラムや単発の記事として寄稿した文章を1冊にまとめた時評集『破壊者たちへ』の一部を抜粋し、掲載する。
第1回:東アジア反日武装戦線を追った映画にこもる意味(10月4日配信)

原器

(『サンデー毎日』2021年6月6日号より)

フランスの首都パリ近郊にあった地下金庫にはかつて、超精密な1キログラムの分銅が厳重な施錠下で保管されていた。白金イリジウム合金製だというその分銅は、1889年から130年近くも質量の単位=重さの基準として世界に君臨してきた国際キログラム原器。これを通称で「ル・グランK」と呼ぶことは、毎日新聞で科学分野を長く担当する青野由利・専門編集委員が何年か前に書いたコラムで教えられた。

重さの基準としてル・グランKことキログラム原器があれば、長さの基準にも金属製人工物のメートル原器があった。だが、メートル原器はずいぶん前に光の速度で再定義され、キログラム原器も2019年にやはり物理定数に取って代わられ、人工物としての原器はいずれもその役割を終えた。

次ページ原器が求められるのは重さや長さの世界に限らない
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