「アルテオン/パサート」乗ってわかる進化の神髄 VWがふんだんに盛り込んだ最新技術の真価を見た

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2車ともに、ダンパーの減衰特性を電子制御で変更する「アダプティブシャシーコントロール/DCC」を装着していたのだが、この効果は絶大だった。コンフォート⇔スポーツまで、なんと15段階で設定変更が可能で、しかも1ステップごとに違いがしっかりと伝わる。

もっともソフトなコンフォートでは、エアサスペンションでも装着しているかのように柔らかく路面の凹凸をいなし、反対に減衰力が最強となるスポーツでは、アウディブランドのスポーツモデル「R8クーペ」並の引き締まった足回りを披露する。

居住性能も高い。アルテオンはホイールベースの長さを生かしたキャビンが印象的で、後席の足元余裕はパサートより大きめ。一方、車高が25㎜高いパサート(アルテオンとパサート・セダンとの比較)は縦方向にゆとりが大きくドアの開口面積が大きいため前/後席とも乗降性能に優れる。視界の広さもパサートが優勢だ。

アルテオンは意外に荷室が大きい

ラゲッジルームはステーションワゴンボディであるパサート・ヴァリアントが広大で使いやすいが、じつはアルテオンもなかなかで、大きなハッチゲートを開けて後席を前に倒せば画像のようにステーションワゴン並の積載性能(最大で1557l。シューティングブレークの最大値は1632l)がある。

アルテオンは登場時からスタイリッシュであったが、今回のマイナーチェンジでは走行性能を大きく向上させ、内外装も整えられた。また、改めてこのクラスのハッチバックボディがもつ高い実用性能も再認識した。

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パサートでは、これまでの「優れた実用車」としての存在から、垢抜けた感がある。試乗したヴァリアントTDI R-Lineでは、つや消しブラック塗装の19インチホイールを履いていたとこもあり、精悍ないでたちだった。

車内はデザインだけでなくHMIもボタン配置からディスプレイ上での階層整理まで徹底されており使いやすい。どことなくアウディA4~A6が得意とする「スマートかつ、スポーツラグジュアリー」的な分野に足を踏み入れた、そんな印象を2車には抱いた。

数少ない不満点は、アウディA4シリーズが搭載する12V系マイルドハイブリッドシステムを持たないなど電動化対策がないことだが、これは年次改良で加わる(しかも昇圧される?)のではないかと筆者は推察している。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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