「アルテオン/パサート」乗ってわかる進化の神髄 VWがふんだんに盛り込んだ最新技術の真価を見た

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フォルクスワーゲン(VW)の「アルテオン」(左)と「パサート・ヴァリアント」に乗ってみた(筆者撮影)

昨今のフォルクスワーゲンといえば、欧州を中心とした電動化車両、とりわけ電気自動車(EV)のニュースが多い。

2019年には「ID.3」を、翌年には「ID.4」、そして今年の「IAA MOBILITY 2021」(ミュンヘンモーターショー)では「ID.LIFE」を立て続けに発表。これら新型モデルはいずれもEVだ。

フォルクスワーゲンでは、EV専用の「MEB」と命名されたプラットフォーム(車体の土台)をベースに、ボディ形状はもとより、駆動モーター数や搭載バッテリー容量を変化させ多彩な車両開発に対応する。

プラットフォーム共有化はVWの得意技

こうした変化に富んだ車両開発にはプラットフォームがひとつの鍵になるわけだが、フォルクスワーゲンでは内燃機関(ICE)車両からすでに車種間でプラットフォームを共有してきた。

モジュール設計とも呼ばれるプラットフォームの共有化は、フォルクスワーゲンの各モデルで行われている。今回試乗したアルテオン&パサート・ヴァリアントも年次によって多少の違いはあるが、ベースは同じ「MQB」だ。

今回紹介するアルテオンとパサートでは、ボディサイズにはじまり前後タイヤ間距離であるホイールベースも違う(アルテオンが45㎜長い)が、サスペンションの形式は同じ。

4ドアながら流麗なデザインが特徴の「アルテオン」(筆者撮影)

MQBは登場以降も細部にわたって改良が施され続け、用いるモデルに応じた調整を施しながら、SUVの「ティグアン」からコンパクトモデル「ポロ」にも採用。そして2021年に国内導入された8代目となる新型「ゴルフ」にもベースにはMQBが使われている。

ワゴンボディの「パサート・ヴァリアント」(筆者撮影)

今回の2車はいずれもマイナーチェンジモデルであり、とりわけ走行性能が大きく向上した。アルテオンの重厚な乗り心地に対して、パサートはアルテオンより少しだけ小さなボディを生かした軽快さが際立っている。

アルテオン「TSI 4MOTION R-Line Advance」(624万6000円)はガソリンエンジンを搭載する。直列4気筒2.0lDOHCターボは272PS/35.7kgf・mを発生し7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせる。駆動方式は4MOTION(フォルクスワーゲンにおける4輪駆動の名称)だ。

対するパサート・ヴァリアント「TDI R-Line」(584万9000円)はディーゼルエンジン。直列4気筒DOHC2.0lターボは190PS/40.8kgf・mを発生。こちらも同じ7速DSGだが駆動方式はFF(前輪駆動)方式だ。

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