一方のパサート・ヴァリアント。こちらはディーゼルモデルらしく低速域から力強い。直近に試乗したパサート・ヴァリアントベースのSUVモデル「パサート・オールトラック」(4MOTION)と同一エンジンながら、試乗したパサート・ヴァリアントは走り出しから高速域に至るまで10~15%パワフルな印象だ。
取材したところ、「両モデルともエンジンスペックは同じです。ただ、オールトラックはその名のとおり、滑りやすい雪道やオフロード走行を見越した穏やかな出力特性にしています」とのことだった。
そのパサートは今年の4月にマイナーチェンジを行っている。グリルから前後バンパーの形状にいたるまでエッジを効かせたデザインとなり、シャープな印象を持たせた。
2車ともに先進安全技術が向上
アルテオンとパサート、2車に共通する進化点は、先進安全技術が向上したこと。そのひとつが「Travel Assist/トラベルアシスト」だ。
Travel Assistは前走車を追従走行する①「ACC/アダプティブクルーズコントロール」と、車線の中央を維持する②「LKS/レーンキープシステム」の組み合わせ機能で、すでに単独の機能としてマイナーチェンジ前モデルから実装されていた。
今回試乗したマイナーチェンジ後のモデルでは、①の前走車に対する追従性能を向上させつつ、②の車線中央維持機能を大幅に進化させ、連携プレーが可能となり、より扱いやすくなっている。
特筆すべきは②で車線中央を維持する性能が高くなり、路面の車線区分線のうち、片側が擦れて見えづらくなっている状況でも、前走車を追従している際には機能はそのまま途切れない。他車同様、一定の曲率(正確には国連のWP29におけるR79のACSFで定められた横方向の重力加速度)範囲内だが、カーブでも同様に高いライントレース性能を発揮する。
また、ステアリングに加わるサポート操舵力も以前より強くなり、あたかもシステムが意思をもちドライビングをサポートしているように感じられる。雨天で夜間など、運転操作に気をつかう場面ではじつにありがたい先進安全技術だ。
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