会議の「冒頭2分は雑談」ルールが効果絶大な理由 「報連相」重視する人が知らない「雑相」の重要性
さらに、クライアント企業25社に協力してもらい調査しました。本人を特定しない匿名アンケートで「心理的安全性がある」と答えるメンバーが7割以上いるチームと、「心理的安全性がない」と答えるメンバーが7割以上いるチームで比較しました。
すると、「心理的安全性がない」チームは、会議時間が長いことがわかりました。各社平均の20〜30%も多く打合せが入っているのです。また、会議のための打合せが多く入っていました。「定例会議に向けて確認する、会議のための事前打合せ」といった形です。
上司に怒られないように、必要であろう情報を片っ端から集め、多くの人に確認を求めて本番の会議に臨んでいました。「課長、このような資料を作っていますがイメージ合っていますか?」と聞くことができないので、さまざまなパターンの資料や、データの用意に時間をかけていたのです。
気づかいをしながらチームミーティングに臨む状態だと、自ら率先して意見や質問をするメンバーはいません。「発言しないほうが安全である」と考えてしまっているからです。「心理的安全性」がないと、上司と1on1ミーティングでも、うまくコミュニケーションが取れません。メンバーは怒られないように、ボロを出さないように口数を少なくします。
自分からアイデアを出すことはなく、上司からの指示を待ち構えます。メンバーが自分から話さないので、上司が一方的に話しまくります。上司の過去の自慢と上司からのダメ出しで時間が過ぎていく最悪の時間です。
これではメンバーが士気を高めて仕事に取り組むことはできません。
雑談でチームの結束を強化
一般的な管理職は、メンバーと信頼関係を構築するのに「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」を重視します。隙を見せると馬鹿にされるのではないか、と強気の姿勢をとりマウンティングする管理職もいます。
しかし、上司と部下が上下関係になり、命令型の階層組織になってしまうと、メンバーが自主的に考えて行動する「自走する組織」を作ることはできません。
トップ5%の優秀なリーダー(以下、5%リーダー)は、「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」よりも、まず「ざっそう(雑談・相談)」を目ざし、メンバーと雑談・相談(ざっそう)し合える関係を作ろうとします。5%リーダーは行動が継続するように仕組化するのが得意です。そこで、雑談することも仕組化してしまいます。
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