「iPhone 13」の選び方と使って実感した超進化 ディスプレーが「まったく新しいモノ」になった

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そのiPhone 13 miniだが、超小型の5G端末ゆえに、バッテリー持続時間に不満が集まり、需要が高まると予測した日本だけでなく、世界的にも販売があまり伸びなかった。アップルはそこを1年で修正し、iPhone 13 miniでは1.5時間寿命を拡大させ、安心して選びやすくしている。

バッテリー寿命の拡大は、電池の実装とともに、省電力性を高めたA15 Bionicの存在感が大きい。そのためiPhone 13 miniのみならず、シリーズ全体でもバッテリーが1.5〜2.5時間長くなった。

A15 Bionicはアップル設計、台湾のTSMC製造の5nmプロセスのチップで、CPUは6コア、GPUは4コアもしくは5コア、機械学習処理を行うニューラルエンジンは16コア搭載され、その他にも画像処理エンジンやビデオ処理アクセラレータなど、iPhoneに必要な処理を担う機能が盛りこまれている。

手元のiPhone 13シリーズをGeekbench 5で計測したところ、シングルコアのスコアは1700以上で、Mac向けM1チップに匹敵する。マルチコアのスコアは4750となり、昨年のiPhone 12シリーズに搭載されていたA14 Bionicから約20%向上したことがわかる。

グラフィックスは、5コアを搭載するiPhone 13 Proで、13840だった。昨年のiPhone 12 Proでは9200前後だったことから、約1.5倍の性能にまで引き上げられた。

夜に強い大型センサー

iPhone 13シリーズが登場しても、5G対応のiPhone 12とiPhone 12 miniは値下げされてラインナップに残る。2021年に販売されるiPhoneのうち、iPhone SEとiPhone 11を除く8モデル中6モデルが5G対応を果たし、特に値下げされたiPhone 12シリーズは、5Gへの乗り換え、Androidからの買い換えの需要を狙う戦略モデルとなる。

iPhone 13とiPhone 12は、デザインと5Gという大きな2つの特徴が共通であるがゆえに、iPhone 13シリーズは最新モデルとして、iPhone 12と明確な差別化をしなければならない。

1つは、ラインナップ全体で、ストレージ容量が倍増している点が挙げられる。そしてその増えたストレージで何をするのか?といわれれば、強化されたカメラでの撮影だ。

昨年、iPhone 12 Pro Maxにのみ、大型センサーとセンサーシフト式手ぶれ補正を採用し、暗所性能とビデオ性能を飛躍的に高めた。そのセンサーシフト式手ぶれ補正をiPhone 13 mini、iPhone 13の広角カメラにも導入したのだ。

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