Apple Watchで「心電図」取れる事の重大な意味 アプリ経由で「慶応病院」に診断してもらえる
2019年12月、アップルCEOのティム・クック氏が来日した際、慶応義塾大学病院を訪れたときのことは、週刊東洋経済プラス(アップルのティム・クックCEOが慶応病院に行ったワケ)でお伝えした。
クック氏は、Apple Watchを心疾患の診断に応用する取り組みを行ってきた慶応義塾大学病院特任講師の木村雄弘氏とApple Watchの医療領域への貢献の可能性について話し合い、このムーブメントを先に進めるためにも、まだ日本では認可されていなかったECG(心電図検査、アメリカでは2018年発売のApple Watch Series 4から利用できた)計測機能を可能な限り速やかに日本でも利用できるようロビー活動を続けると約束した。
その成果が表れるまでに時間がかかったが、今年1月22日にECG計測機能が日本で利用可能になると、2月1日にはECG計測機能と連動する心房細動の診断を研究するためのアプリ「Heart Study AW」が慶応義塾大学からリリースされた。
アメリカの臨床試験には42万人が参加
Apple Watchを用いた臨床試験プログラムはアメリカで先行して開始されており、2019年から開始されている心疾患に関する臨床試験には42万人が参加した。
不整脈などをもたらす心房細動などを診断するには、異常を被験者自身が感じているときに心電図を取らねば正確な診断ができない。しかし患者が発作を起こすタイミングは、必ずしも心電図を記録している時間帯と一致しているわけではない。これこそが心疾患についての診断を難しくしている部分だと木村氏は以前、話していた。
Apple Watchを用いた臨床試験は、患者が異常を感じたとき、その場でApple Watchを操作するだけでECGを計測。そのままかかりつけ医などに連絡する機能を利用したものだ。
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