意味ない「ダメ会議」を変える3つの"頭の使い方" アウトプットを生み出せる会議は何が違うのか

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不毛な会議を変えるにはどうしたらいいのでしょうか(写真:takeuchi masato/PIXTA)
経営学者のピーター・F・ドラッカーはこう言いました。「企業の目的は『顧客の創造』である」と。かつての日本人は、自動車、バイク、家電など、多くの分野で人の心をワクワクさせるものを生み出し、世界中に感動する顧客を創造してジャパンブランドを築きました。
メディアでは「日本からGAFAが出ない」「グローバルで活躍できる日本人が少ない」と書かれるのをよく目にしますが、かつての日本人はそれをやってのけました。では、かつてと今では何が変わったのでしょうか? それは顧客が感動する商品や事業を考え抜き、実現する「会議」をしなくなったことにある、と私は考えています。
そこで今回は拙著『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』より、社内の3つの頭を使い分け、組織を顧客創造体質に変える会議のやり方を紹介します。

会議で必要な3つの頭とは?

私は、会議再生屋として多くの企業の会議を見てきましたが、そこで行われているのは、

  • ● 社長の言うことが絶対の「御前会議」
  • ● 上司の意向に合わせる「忖度会議」
  • ● 正解を求めようとする「答え合わせ会議」
  • ● 波風立てないようにする「妥協会議」
  • ● 誰かの指示を待つ「受け身会議」
  • ● 相手に責任を押し付ける「押し付け会議」

といったものばかり。実感値で言えば9割の企業がこのような会議を行っている印象です。みなさんも心当たりはないでしょうか? もちろんこのような会議からは顧客が感動する商品や事業は生まれません。

ではどうすればいいのでしょうか? 顧客創造を考えるときは、「理想」と「現実」、そして「推進」という3つの「考える頭」を使い分ける必要があると考えています。

『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』より

「理想」とは、「このような状況にある人に、このような価値を提供し、より幸せな、より感動する世界を想像する」ことであり、そこでの「考える」は現実解を無視して、より面白く振り切ってイメージを膨らませることが必要です。

企業で理想の頭(理想脳)を担う人は、中小企業であれば社長や次世代リーダー、中堅~大手では執行役員や事業部長、部門リーダーといった方々になります。私はさまざまな理想脳を担うべき人と仕事をしてきましたが、現実に引っ張られ思い切ってジャンプできない人は少なくありません。

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