意味ない「ダメ会議」を変える3つの"頭の使い方" アウトプットを生み出せる会議は何が違うのか

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推進脳がしっかりしていると、理想脳は思い切って発想を膨らませることができ、現実脳は実現上の課題を乗り越えることに集中できます。

そうなることで、考えることが楽しくなり、仕事は面白くなります。さらには今までにないアウトプットができるようにもなり、そこからまた新しい気付きが生まれ、知らなかった自分の才能を発見し、自己成長をしていきます。推進脳とは、いわば頭脳を動かす指揮者とも言えるでしょう。

管理ではなく顧客創造がマネジャーの仕事

推進脳の成果は、優れた商品や事業を生み出し、新たな顧客の創造を実現し企業に売上利益をもたらすことです。そうすることで、組織は成長し、事業は持続可能となります。

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つまり、組織に顧客の創造と収益を上げさせることが推進脳の成果です。冒頭に挙げたピーター・F・ドラッカーも「組織に成果を上げさせる機能がマネジャーである」と言っています。

理想脳や現実脳の頭を動かし新しい価値を創り出す推進脳こそ、マネジャーが持つべき必須スキルだと言えます。まだ多くの日本企業では、マネジャーや管理職=部下の仕事や時間を管理する人という風潮が強いですが、これはルーティンワークを主体とする働き方を前提としています。

顧客を創造する働き方では、組織の頭脳を動かし新しい価値を創り出せる人がマネジャーであり管理職であるべきです。

現状、後者における真のマネジャーはまだまだ少ないですが、これからさまざまな企業で必要とされることは間違いありません。

高橋 輝行 KANDO代表

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たかはし てるゆき / Teruyuki Takahashi

東大卒業後の2000年、博報堂に入社。数々のブランドプロモーション、 大手通信教育サービスの開発・広報などのプロジェクトを経験したのち、SBIグループで大手メーカーと知財戦略の構築に携わる。2007年からはハンズオン型コンサルティング会社、経営共創基盤にて、ぴあの再建に尽力。同社の経営陣、従業員と共に年間18億円の赤字から黒字化を実現する。2010年7月にKANDO株式会社を設立。著書に『ビジネスを変える! 一流の打ち合わせ力』(飛鳥新社)、『頭の悪い伝え方 頭のいい伝え方』(アスコム)

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