本当に有能なリーダーは「忙しい」といわない理由 一般的な管理職の6割は忙しさを口にするが…

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また、5%リーダーは第3者を通して相手をほめる間接承認をよく使います。

メンバーに直接「いつも親身にサポートしてくれてありがとう。とても助かっているよ」と伝えるのに加えて、第三者を通してほめると、メンバーの喜びは倍増します。

例えば、「〇〇さんがあなたのことをとても感謝していたよ。いつも親身にメンバーをサポートしてくれてありがとう」と伝えます。こちらのほうが、うれしさが増すのです。

その理由は2つ。

1つ目の理由は、第三者の名前が思いがけずに出てくると、ポジティブ・サプライズ(予想外の喜び)となるからです。

もう1つのポジティブ・サプライズはリーダーに対してです。

「第三者からのフィードバックを集めてくれたなんて、リーダーはすごいな」

「陰ながら自分のことをしっかり見ていてくれたなんて、うれしい」

と自分に対して興味・関心を持ってくれるリーダーに対して感謝の念を抱くのです。

1on1ミーティングでメンバーと話す際には、事前にそのメンバーのことを考えてください。

「こういうことがあった」というわずかな記憶があるだけでも対話は弾みます。

5%リーダーは、事前にメンバーの勤務票や成果を見て、体調面や成長を確認しています。1on1ミーティングも社内会議も、準備で8割決まると言ってよいでしょう。

ネガティブなことはどう伝える?

そして5%リーダーは、フィードバックの仕方も特徴的でした。

相手に改善を求めるフィードバック、つまりネガティブなフィードバックは最後に持ってきます。

はじめに1つ、2つ相手の良い点をフィードバックし、相手が聞き入れる体制を整えてからネガティブなフィードバックをします。

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一般的な管理職は、いきなりダメ出しやネガティブなフィードバックをすることもあります。しかし、半数以上のメンバーは聞き流すことでそのフィードバックから逃げています。

心理学者のロイ・バウマイスターは、「1つのネガティブを打ち消すのには、4つのポジティブが必要」だと言っています。

トップ5%リーダーは、4つとは言わないまでも、ポジティブなフィードバックを多く、そして先に出すことで、ネガティブなフィードバックを相手が受け止めるように工夫しているのです。

越川 慎司 クロスリバー代表取締役

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こしかわしんじ / Sinji Koshikawa

通信会社、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に株式会社クロスリバーを創業。ムダ取りコンサルタントとして800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。著書に『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)ほか多数。

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