「体型に合わせたスーツ」がお洒落に見えない理由 「体に服を合わせる」のは和装、スーツではNG

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スーツのはじまりといえばイギリスですが、このイギリススーツの特徴といえば「きつめに仕立てられている肩幅」「小さめの襟幅」「タイトに絞られたウエスト」などの特徴が挙げられます。タイトめに仕立てられている理由は、男性の体の力強さを際立たせるシルエットを作り出すのが目的であること。イギリス紳士たちは、こういったタイトめのスーツを美しく着こなすために体を鍛えたのです。

体に服を合わせるという和装の考え方を持っている限り、いつまで経ってもスーツを着こなすことはできません。体に服を合わせるのでなく、服に体を合わせることが大切です。

「スーツ選び」と「体型維持」はセットで

オーダーで服を仕立てれば、体に合った服が出来上がるもの。確かに体に合っている服は、着ていてラクなうえに疲れにくいのは間違いありません。でもそれが同時に見栄えもすばらしいのかというと、そうとも限らないのです。

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もし仮に西島秀俊さんや白洲次郎さんみたいな引き締まった体をしていて、その体に合わせて服を仕立てると、とんでもなく見栄えがいい服ができ上がります。

一方で、ズングリムックリの人に合わせて服を仕立てるとどうでしょう。その人は着ていてラクでしょうが、見栄えのよさという点では微妙です。体型に忠実に服を仕立てていくと、お腹の出た人はお腹が出る。猫背の人は、猫背の姿勢でもシワがないようなシルエットに仕上がってしまうのです。もっといえば、国会議員の先生が着ているスーツって高そうに見えますし、体にも合っている感じはしますよね。でも見栄えという視点ではどうでしょう。

見栄えのよさと着心地のよさは関係があるようでいて、実は相関関係はまったくありません。着ていてラクだけを追求していくと、見栄えがすごく悪くなる可能性があります。ぜひ、スーツ選びとともに、ご自身の体型維持に関しても意識されてみてはいかがでしょう。

末廣 徳司 日本で唯一の経営者専門スーツ仕立て屋「イルサルト」代表

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すえひろ とくじ / Tokuzi Suehiro

1972年、奈良市生まれ。早稲田大学卒業。ユナイテッドアローズ時代は、業界を代表する社内の服飾専門家から直接レクチャーを受ける。ワールド在籍時は、商品開発に関わる全業務を経験し、1週間に5万点以上売り上げる大ヒット品番を連発し、会社の販売記録を更新。中国でのブランド立上げにも参画し、北京・上海を中心に100店舗以上の出店を行う。2009年に独立後は、スーツを通したブランド創りの専門家として創業以来12年間で、経営者、政治家、医師、作家、講演家、士業、芸能人、スポーツ選手などエリート15000名以上のスーツを仕立てる。

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